スキップしてメイン コンテンツに移動

シーズン中間レビュー)名古屋の対策リスト

勝ったり負けたりを繰り返す今日この頃・・・そういや去年もそんな時期が・・・シーズン38試合中18試合とほぼ半分を消化しました。そこで今回は、シーズンを4クオーターに分けた場合の第2クオーターのシーズンレビューとしてお届けします。

ちなみに第1クオーターの内容はこちら↓
今回のブログの前提条件としてお読みいただけると幸いです。

超まとめると、第1クオーターは「攻撃はスペースのある状態でサイドに入れて」、「守備はCHが前の方まで守備範囲を広げて刈り取る」のが好調の要因だよね!って話でした。

そして、第2クオーターは、好調の名古屋に対して対戦チームが対策を講じてきて、第1クオーターの様に勝てない状況にあります。

そこで今回のブログでは、まず、対戦チームの対策をまとめます。そして、対戦チームの対策に対抗する名古屋の現在(模索中)を整理していきたいと思います。

対戦チームの対策

①クロスの位置
②GKが蹴っ飛ばす
③SBべた付け
④ロスト後のハイプレス


①クロスの位置

名古屋対策といえば、まずは高さ。川崎第1stレグ後に出したレビューで指摘した通り、「昨シーズンと同じ事されてるから、高さには注意しろよ!」と言ったのに、きれいに2ndレグも高さで先制されてしまいました。筆者の気持ちにもなって欲しい。計7失点中3失点を高さで失いました。

クロスは名古屋から見て右サイドから上げ、クロスの送り先は丸山の背後。シンプルだが名古屋対策としては的を射過ぎです。

CKの場合、理由はこうです。(1)左利きに比べ、右利きの方がキッカーが多いのでどのチームでもいいボールを上げやすい。(2)右利きの選手がゴールに向かってくるインスイングのボールになり、ランゲラックに触らせないで済む。(3)ランゲラックを右左と動かせるという意味でも、ファーが好ましい。良いポジショニングのランゲラックからゴールを入れるのは至難の業だ(by山本昌邦)。(4)また、ヘディングの強い選手は、まずニアを守る。ファーに高さのある選手を回せるほど、名古屋は高くない。よって、丸山がバックステップを踏みながらの対応を余儀なくされる。
tacticalistaにて作成
tacticalistaにて作成


ちなみに、川崎戦後の鹿島戦や清水戦でも同様の位置へのクロスが多発していました。しかし、この形のゴールはありません。苦手とは言え、相当の精度がなければ、この手のクロスからのゴールは頻発するわけではないことも付け加えておきます。つまり、川崎は異常。


鹿島戦でランゲラックがファンブルするのを見るに、DF陣は高さに対してナーバスになっていることも伺えます。木本恭生を入れれば解決するわけではないんで、どうしましょう。

②GKが蹴っ飛ばす

名古屋が丁寧に相手のビルドアップ隊にプレッシャーをかけて、GKへのバックパスをさせます。それにより、ボール保持を基調とした相手チームは攻めあぐねる・・・はずでした。

しかし、ふたを開けてみると、鹿島戦では、GKはサイドに張った杉岡めがけてロングボールを挙げ、マッチアップする成瀬に完勝して、何度もボールを収めていました。

また、鳥栖戦ではCF酒井宣福、徳島戦ではCF垣田裕暉をターゲットにしたロングボールで前進されています。前目で引っ掛けてショートカウンターという狙いのため、名古屋のCHは前がかりになっています。その背後にできたスペースでボールを受けるので、比較的収まりやすいです。

”高さ苦手”、”CH前がかり”、”ショートカウンター撲滅”、という3点で妙手というほかありません。また、攻撃陣の守備の徒労が半端ないという意味でも心を折ってきます。

鳥栖、鹿島、徳島といったボール保持に特徴のあるチームが、思い切って蹴ってくる・・・。西洋にキャッチアップしようと、盲目にトレンド戦略を吸収してきたJリーグ。その戦略を咀嚼して、自分のチームに合う形に読解しているようで感慨深いな~と思いました。ポジショナルや5レーンは”手段”で、相手とのズレを使うという”目的”のためには、蹴っ飛ばせばいいんだ、と・・・。


③SBべた付け

「あんまり、相馬キュンにべたべたするの、やめてもらっていいですか。」

川崎戦では山根視来が、徳島戦では岸本武流が密着してきました。共に攻撃をけん引する右SBです。その攻撃面での特徴が出せなくてもよい腹づもりで、相馬を1対1で試合から消してきました。

さらに、徳島戦では対策が先鋭化されていました。名古屋のビルドアップ時に、追い込み漁が行われていました。

つまり、こうです・・・名古屋がビルドアップに入ると、徳島の選手は名古屋の左サイドに追い込む。言い換えると、中谷→木本→吉田→相馬とボールが外回りをするのに合わせて順に追い込み漁をするようにプレスをかけていく。吉田にボールが渡った時点で、パスの選択肢は相馬に限定されている。相馬はゴールに背を向けてサイドで受けるので窮屈になる。対面のSB岸本がボールを奪えれば、守備の矢印を一転そのまま攻撃につなげて反撃できる・・・というわけです。

この戦略は、マテウスと相馬、成瀬と吉田、木本と中谷のビルドアップ耐性、および岸本の攻撃力とを加味した妙手だなと唸りました。次、これきますよ。

ここで蛇足。木本はボールを捌けるフレコミだが、どうも中谷・丸山に比べてパススピードが遅い気がします。また、ランゲラックがビルドアップに参加できない分、バックパス時には高速で降りないといけないんですが、その点のスピードでも2人には及びません。つまり、どうも名古屋のビルドアップのやり方には向いていなそうな気がします。

丸山の負傷中に、ぜひ存在感をアピールしてくれることに期待しています。


④ロスト後のハイプレス

名古屋は、ボールロスト後(=名古屋がボール奪取後)にハイプレスをかけてくるチームに弱いです。鳥栖、川崎、鹿島がそれに該当します。名古屋は、ボール奪取後は素早くサイドの裏にボールを流す、もしくは、ボール保持に移行したいのですが、それもままならず、ラフなボールを蹴って、相手のターンが続くという試合が散見されています。

”ロスト後のハイプレス”として、最終形を見せられたのが鹿島戦でした。SBやボランチを主戦場とする小泉慶をトップ下とした初お披露目の奇策です。ボールロスト後には、獰猛に再奪回を狙ってきます。この日は、小泉以外にも、ファンアラーノ、土居、遠藤とプレスパック隊の充実ぶりが半端なく、全く密集からボールを出せませんでした。

少しだけ鹿島戦に言及しておきます。失点するまでは、プレスバック隊によって攻撃が全く機能しなかったわけですが、逆に守備が破綻する気配もありませんでした。そういう意味では、めずらしいミスがなければどちらが勝つか分からない試合でした。(当たり前か。)それぞれ、豊富な攻撃カードを残していたので、パラレルワールドの試合はどうなってるでしょうか・・・。

途中ですが、いったん小休止

この後、突き付けられたこれらの課題に対する、名古屋の対応を書いていこうと思っていたのですが、長いのでいったん止めます。


どうする名古屋!、どうなる名古屋!!



トップページのブックマークをお願いします。
更新情報をツイートします

↓クリックすると
↓みなさんのグランパスブログが見れます
にほんブログ村 サッカーブログ 名古屋グランパスへ
にほんブログ村

 

コメント

このブログの人気の投稿

2024名古屋グランパス 編成の妄想

2024.1.14新体制始動ということで、今年のスカッドについて好きなように妄想を書けるのは今だけなので、久しぶりにブログを更新したいと思います。 今年の編成の感想 今年のスカッドを見て、違和感を感じた。その違和感の正体は、3か4か分からないこと。 以下にミルクボーイ調で4バックなのか3バックなのか考えてみた。 監督が昨年やり方を踏襲すると言っている。3バックで決まり。 フィジカルに長けた上下動できて守備も信頼できる名古屋風WB(相馬、森下、豊)が1人もいない。なら3バックちゃうか。 右SB適任者が、再レンタルも想定される成瀬しかいない。やっぱり3バック。 ただ、獲得したサイド選手(山中、小野、成瀬、山中)はみんなWB未知数。ほな3バックじゃ無いか。 3バック維持するとしても丸山、藤井、中谷の移籍で作り直しは必至。ほな3バックじゃなくてもよいか。 1枚目2枚目過多でDF枚数を減らしたい。ほな3バックじゃ無くてもよいか。 去年、後ろに重たかった。ほな3バックじゃない方がいいか。 福岡、日本代表など4と3を併用するクラブが出てきた。 新体制発表会、長谷川監督「3も4も様子を見ながらやっていきます。」4バックやるって言ってるやんけ! とミルクボーイ調もかなり崩れているが、4バックをやるっぽい。てか、やって欲しい。 どうも、 フォーメーションをシーズン・時間帯を通して使い分けると考えて間違いなさそうだ。 ちなみに4231に当てはめてみたのがこちら。我ながらまんざらでもない。理由は、 エルボーバック(SBの片側を上げ、逆側にCBのできるSBを置く)の4231をベース に妄想しているからだ。 左上がりエルボーバック もう少しエルボーバックを掘り下げよう。一例として、左SBを上げ気味にしたエルボーバック4231を示す。右SBに野上が入ることで、 試合中に3バックにも可変できる というわけだ。 この場合、久保と山中で幅を取り、左WGの森島を内側に絞らせることで、森島、山岸をSTとする3421的にも振舞える。森島がいい感じにライン間で仕事をしたり、下りてきたりが可能になる。この形は森島が活きる。ちょっと守備の怖い(失礼)、トージロー君を前目に残せて活きる。上下動の運動量に不安のある(失礼)、山中の負担も減り活きる。 昨シーズンは後ろに重たいことが課題 としてつきまとった。試合序盤など...

レビュー)湘南 vs 名古屋~立ち位置的な攻防を書きました(データ追加版)~

名古屋(H)3-1湘南(A)/豊田スタジアム/2020.11.21 得点者(名):マテウス、阿部浩之、シャビエル 得点者(湘):坂 今回は、両チームの立ち位置的な攻防を中心にレビューしたいと思います。

プレビュー2)鳥栖 vs 名古屋 J1第1節

前回に続き、 J1開幕戦の鳥栖戦のプレビューです。 前回は、鳥栖のルナー・ニュー・イヤー・カップというプレシーズンマッチを見た感想と、それを受けた名古屋の組織的守備の見どころについて書きました。今回は名古屋のポジトラ時、組織的攻撃時、ネガトラ時、セットプレーについて綴りたいと思います。 カップ戦の出来から、予想スタメンは以下のように想定しています。(2人クロアチア人DFが加入しているので、入ってくるかも。)攻撃時4-3-3、守備時4-1-4-1が基本です。 ムゥは、WGとして使われていましたが、もったいない感じを受けました。一方、トーレスは今の監督の目指すスタイルに向いたCFではない印象です(あまりボールが入っていない)。狭いスペースで反転したり、細かなことが出来るムゥの方が今のゲームモデルに合っている気がします。トーレス(豊田しかり)の代わりにムゥの方がチーム全体の循環はいい感じになりそうな気がします。大きなお世話ですが・・・ 名古屋のポジトラ時 鳥栖がボールロストした時の特徴としては、クエンカの戻りがかなり遅いように見えました。前回書いていますが、クエンカは組織的攻撃時にWGからIHに下りてくることが多く、またそこからチャンネルに侵入しきます。そのポジションからの戻りが遅いので、本来IHでWGに出ている福田とどちらが戻るのかあいまいな状況が生まれやすいと思われます。アンカー脇に侵入すると、高橋秀が結構釣り出されるので、CB前のいわゆるバイタルエリアをうまく使えるのではないかと思います。 よって、クエンカのいる名古屋右サイドからアンカー脇に侵入し、高橋秀を釣り出しておいて、バイタルエリアに左SHやジャビエルが侵入して、ラストパスを送るという形が狙えそうです。 また、CBの連携がまだ成熟していないのか、鳥栖がカウンターを受けたときに、鳥栖CB間が絞られておらず、間にFWが二人いるというあまり見ない状況から失点する場面がありました。(起点は、トーレスのボールロストからだったので仕方ない部分もありますが。) 本職CBではないことによる苦労を2017年に体感している身なので、カレーラス監督にはこのままの方針を「貫く」で行ってほしいものです。 名古屋の組織的攻撃時 鳥栖は、守備時4-1-4-1でCFのトーレスには、ほぼ...

レビュー)浦和 vs 名古屋~浦和の名古屋対策とボコボコの理由~

名古屋(H)6-2浦和(A)/豊田スタジアム/2020.8.8 得点者(名):前田直輝x4、シミッチ、シャビエル 得点者(浦):レオナルドx2 前田直輝の0.5オルンガを含む6得点で快勝した9節浦和戦。 快勝の理由が分かれば、今後につながると思って試合を見返したのですが…ごめんなさい。理由はよくわかんない。しいて言えば、「気持ち」…というレビュワーの端くれなら言ってはならない言葉を発しつつ、スタートです。 試合の大勢が決まる3-0のところまでを、あっさりレビューします。 基本情報 浦和の名古屋対策 ボコボコの理由? 基本情報 浦和は、西川、SB、レオナルド以外をきっちりとターンオーバーする傾向があります。結果として敗因の一つであった気がするので、後ほど。 <名古屋戦スターティングメンバー> GK 西川 DF 橋岡、鈴木(大)、トーマス、山中 MF 武富、柴戸、青木、汰木 FW レオナルド、杉本 SUB 福島、槙野、岩武、長澤、関根、武藤、伊藤(涼) #urawareds #浦和レッズ #wearereds #Jリーグ #サッカー pic.twitter.com/2YSoRG9WpT — 浦和レッズオフィシャル (@REDSOFFICIAL) August 8, 2020 一方の名古屋は、負傷者を除くベストメンバー(=鉄板の監督の哲学)。個人的には丸山祐市の勤続疲労が不安。サブにはルヴァンで結果を出したメンバーが並び、期待が持てます。 明治安田生命 #J1 第9節「vs #浦和レッズ 」(@豊田スタジアム 18:00 KICK OFF ) #grampus スターティング11⚽️ #おうちでDAZN観戦 ご準備は ▶️ https://t.co/rIOJ5UBNhV クラブ毎に数値化される #DAZN 視聴実績が #grampus の経営強化に繋がります💪 それぞれの #MyHomeStadium で共に🤜🤛 #grampus — 名古屋グランパス / Nagoya Grampus (@nge_official) August 8, 2020 ダイジェストはこちら。皆さん何度も見返しているかもしれませんが、もう一度ご覧になる場合は山中に注目して見てください。 ...