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プレビュー)札幌 vs 名古屋~SH和泉は可変システムの布石?~

2018/3/27追記) 誤「クソンン」→正「クソンン」です。訂正してお詫びします。

まずは、次節対戦する札幌の前々節(vs清水)、前節(vs鹿島)のダイジェストから。




プレス開始位置の違い

対札幌戦で、前々節の清水はオールコートに近い高い位置にプレス開始位置を設定し、前節の鹿島はセンターサークル付近をプレス開始位置に設定していました。その結果、札幌は清水に完勝(5-2)し、鹿島に完敗(1-3)しました。

札幌にスピードの乗った状態で攻撃させないための策、鈴木武蔵・チャナティップ・アンデルソンロペスにスペースを与えないための策としては、鹿島同様にセンターサークル付近にプレス開始位置を設定した方が組みし易いと思われます・・・・が、名古屋はプレス開始位置を清水同様に高めに設定してくることが容易に想像できます(汗)。なので、それ前提でプレビューを書きたいと思います。

ちなみに、清水はプレス開始位置は高いのですが、縦にコンパクトではないため、剥がされた後にスピードに乗られまくっていました。コンパクトネスでは、名古屋の方が札幌の攻撃に対する耐性はあると思われます。

名古屋の組織的守備

札幌は2シャドーが下りてきてからの展開が強力

札幌は、2シャドー(チャナティップとAロペス)がCH脇に下りてきてボールを受けることをビルドアップの出口としています(下図の灰色部分)。下りてきたときに、相手DFがついてくれば裏にスペースが出来ますし、ついてこなければ前を向けます。

この前を向いた状態から配球されるのが非常に厄介です。シャドーが下りてきたときに両WGはすでにDFライン際まで上がっています。そのため、CF、もう一人のシャドー、両WGと4方向にパスコースがあり、相手DFを背走させながら攻撃をすることが出来ます。基本的に近い味方への縦パスを優先しますが、少なくとも逆サイドのWGはサイドライン際に張っているので、そこには必ずパスコースがあります。名古屋がハイラインを保つ守備を選ぶならば、この攻撃の出発点である、2シャドーを自由にさせない必要があります。

名古屋は左右非対称の4-4-2と4-3-3の中間フォーメーション

名古屋が取り得る対策としては、守備時に4-3-3にすることが考えられます。このフォーメーションチェンジは、実は今の名古屋とはすごく相性が良いと思っています。つまり、右SHでありながらシャビエルが攻め残り気味で、左SHの和泉竜司がハーフスペースに陣取って組み立てに関与する形をこれまでの試合で見せていますが、これが既に4-3-3的だからです。米本拓司と和泉竜司がIHとして、それぞれチャナティップとAロペスの下りてくるスペースをあらかじめ埋めておくのです。当然ながら、前3人の守備の負荷は上がります。また、荒野の所や両SBから組み立てようと試みると思いますが、その方が組みし易いのではないかと考えます。

和泉竜司のSH起用は、守備時に4-3-3になるための布石として準備されていたのではないかと(古畑)・・・守備でハメに行きたい場合、2センターと3センターが併用できるといいなと。4-2-4だと、米本が気合で頑張るだけになってしまうので。昨年も、複数システムを使っていたので、ある程度のレガシーは残っていたらいいなとも期待してます。

名古屋の組織的攻撃

シミッチと荒野の攻防が勝敗を決めるのでは?

荒野は現在の札幌になくてはならないダイナモになっています。攻撃ビルドアップ時には最終ラインに下がり、敵ファーストラインを超えた後は前に出てパスコースを作り、守備時には敵SBのところまでファーストディフェンダーになりに行き、押し込まれるとボランチの位置まで下がって守備をするといったように、プレーエリアが広いです。

一方、鈴木武蔵は守備タスクがほぼ免除されており、その分を荒野が頑張っています。ちなみに、鈴木武蔵の好調の一因は攻撃に専念できているからだと本人も言っています。

荒野はタスク過多な分、そこにエラーが起きやすいと言え、その部分に付け込みたいところです。(荒野を引っ張り出しては、その裏を使うとか、連続チェイス後に剥がすとか。)



シミッチもかなり警戒されていると思うので、荒野で消しに来るかもしれませんが、名古屋の方が中盤の人数がいるのでボールを握る上ではあまり弊害にならないのではないかとも思っています。武蔵の守備タスクを増やすという手を打ってくれると、名古屋にとってはさらに”ありがたい”感じになります。

名古屋守備時は、チャナティップとアンデルソンロペスが下りてきた場合、如何に自由にさせないか、攻撃時は、タスク過多の荒野に対しシミッチが優位に立てるかというところが、試合の行方を決めるのではないかと思います。


〈見どころ〉両チームとも前節のスタメンを前提としています。

  • チャンスメイカーとして危険なルーカスフェルナンデス。実は、カットインはフェイントばかりで縦一辺倒なんではないか説。検証してみたい。
  • ルーカスフェルナンデスとの関係で、進藤は攻撃を自重。
  • 福森をなるべく押し下げたいので、シャビエルがどんどん裏抜け狙いたい。
  • 名古屋はFC東京戦で、「前からプレスかけてくるチームにはロングボールも使います」宣言をしたのはいいことだと思う。ただ、ジョーに競るのはCH橋本拳人で、CBは落としたボールのケアをしていた(一発では決められない作戦)。落としたボールの拾い方、ジョーをおとりにしたDFラインの裏狙いなど工夫が必要なことも判明。


毎回、大きく外れるプレビューをお読みいただきありがとうございました。


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