まず、次の10問に「YES」か「NO」で答えてほしい。
- 【GK】足技や守備範囲よりも堅実なセービングだ。
- 【CB】フィジカルモンスターもいいが、クレバーで攻撃参加の得意なCBが好きだ。
- 【SB】大型SBよりも、小兵で機動力に優れ攻守に貢献できる選手であるべき。
- 【DH】絶対的ゲームメーカーは羨ましいが、ボールを刈り取れる選手の方が大事だ。
- 【SH、WG】スピードとパンチのあるキックに定評のある選手とパスレシーブがうまくハードワークできる選手を両サイドに組み合わせたい。
- 【トップ下、セカンドトップ】芸術性を求める古典的10番であれば、守備のゆるさには目をつむろう
- 【CF】長身なのに足技が上手い選手が背後から削られるのに、つい熱くなって切れてしまう。
- 【フォーメーション】4バックやろ。
- 【監督】ヨーロッパの風を感じたい。
- 【補強】金ならある。育成はこれから頑張る。至宝は海外に行っても、いつまでも息子だ。
私は、すべて「YES」だ。あなたはどうだっただろうか?これらは、そして名古屋グランパスに抱いている私のイメージ、チームカラー、歴史、伝統みたいなものだ。
グランパスは方向転換したのか?
2020シーズンも折り返し地点に来て、今シーズンのチームの特徴もかなり鮮明になっている。高い位置でボール奪取できれば、技術を駆使してゴールができる(清水戦の先制点のあべちゃんのゴールとか)。また、守備では、ミドルゾーンでブロックを作る場合と、引いてブロックを作る場合を時間帯により分けながら、最後はやらせない粘り強い守備でリーグ2位の失点と成果が出ている(2020/9/27時点)。風間監督からフィッカデンティ監督に変わり、選手は大きく変わらないもののチームカラーは大きく変わったように見える。そこで、今回はチームカラー、名古屋”らしさ”について書きたいと思う。
2019シーズン、風間監督からフィッカデンティ監督に変わり、残留争いをしていたチームが、リーグも折り返す中盤に2試合少ないながらも4位(2020/9/27時点)なので、超がつくほど順調なシーズンを送っていると言っていい。
しかしながら、ファミリーの間には根強い風間人気に起因した現状への不満がある。また、方向転換の鋭角さ故に継続性がない事に起因した長期的な不安が有ると思う。
この不満、不安の根源は何か。それは“名古屋らしさ”についてチームとファミリーを横断するコンセンサスが無いことなんだろうと思っている。”らしさ”が分からないことが原因で、「この先どうなるんだ」、「監督が代わるたびにスクラップ&ビルドか」という思考が先行する。
風間監督とフィッカデンティ監督という両極端に見える監督。しかし、求めている名古屋”らしさ”の答えは、二元論では出てこない。監督は名古屋グランパスではないからだ。
残念ながら、このブログ中に“名古屋らしさ”の答えは出てこない。
ただ、考え始めるきっかけとしてミクロに見たポジション別の名古屋らしさについて考えてみた。それが冒頭の10の質問なわけだ。
答え合わせ
冒頭の10の質問のイメージを形成する選手たちは以下のようなレジェンド達だ。ポジション別の名古屋”らしさ”を表現する上で、優勝を経験したベンゲル政権とピクシー政権は、チームの成功体験でもあり、ベースとなると思っている。
- 【GK】楢崎、ランゲラック
- 【CB】トーレス、大岩、闘莉王、丸山
- 【SB】小川誠一、阿部翔平、田中隼磨、吉田豊、成瀬
- 【DH】山口素弘、中村直志、ダニルソン、吉村、米本、稲垣
- 【SH、WG】平野、マテウス、相馬 / 岡山、小川佳純、和泉
- 【トップ下、セカンドトップ】ストイコビッチ、玉田、シャビエル
- 【CF】呂比須、ケネディ、ヨンセン、シモビッチ、ジョー
- 【フォーメーション】4バックやろ。
- 【監督】ベンゲル、ストイコビッチ、フィッカデンティ
- 【補強】吉田麻也、本田圭佑、菅原由勢
太字は現在所属する選手・監督だ。ここで強調したかったのは、今のスカッドは伝統的な名古屋らしさを持っている。そして、2017の降格以降に集められた選手だ。つまり、フロントは意図的に”名古屋らしさ”を感じる選手を集めているのではないかと感じている。
ポジション毎の”らしさ”の効用
ポジション毎の名古屋”らしさ”を定義する効用は計り知れない。
まず、下部組織で育成するべき選手像がブレないことで、トップで不足している人材を適時吸い上げることができる。ユースの選手にとっては、監督が代わることで不要なキャラクターになるリスクが下がる。
次に、イレブンのキャラクターのバランスが取れる。全員にポリバレントな役割が求められる昨今だが、全員が守備10点、攻撃10点のパーフェクトな人材が集まるわけではない。そのため、ポジション毎に重み付けをしなければならない。その時に、最初からポジション毎の名古屋”らしさ”にそって、攻守役割の割り付けが決まっていればバランスが崩れにくいわけだ。
監督人事に際しても、持ち駒を活かせる人材を選ぶことができる。逆に選手の立場で考えると、仮に現監督に干され気味な選手がいても、その選手が名古屋”らしさ”に合っている選手であれば、即座に戦力外にされることが減るだろう。
チームには好不調があり、時代による戦略の移り変わりがある。よって、常に同じ戦い方ができるわけではない。そんな時にも基本的な部分がブレないこと、立ち戻る場所があることは長期的な成績を安定させるだろう。
ポジション毎の名古屋”らしさ”から導かれる戦略
各ポジションの特徴から積み上げて、全体を考えていくと以下のような戦略が考えられる。各プレーで、10の質問で上げた選手をイメージしながら読んでほしい。
まず、プレーメーク、ゲームメーク、ゲームのリズムを作る役割は、セカンドトップ(もしくはトップ下)とCBになる。そのためDHには司令塔を置かない。(Jリーグの歴史的に強いチームにはDHに絶対的な司令塔がいた。名波、小笠原、遠藤、青山・・・名古屋は求めたけど現れなかった感がある。)
セカンドトップはテクニックでリーグ随一の選手なのだが、その反面守備の強度が担保されない。その部分をSHとDHで補う必要があるために、MFは機動力があり献身的な選手を置く。
機動力と献身性により高い位置でボール奪取ができるため、ショートカウンターが打てる(マッシモの言うリバポ的?)。パンチのあるシュートが打てるSHやテクニカルなFW陣が技術でゴールを仕上げる。
CFやセカンドトップにはボールが収まる反面、マークが集中するのでSHが飛び出してゴールを奪う回数が増える(リバポ的?)。前4人は平均的にゴールが取れる。(全員シーズン10点希望)
GKは堅実なセービングが売りだが、守備範囲は広くないし足技も得意ではない。そのため、極端なハイラインにすることはできない。コンパクトさは保ちたいので、CBにはカバーリングするスピードと危機察知能力が必要になる。
CBはドリブルによる持ち上がりやロングフィードによって攻撃にアクセントを加える。
SBは、小兵でも粘り強いマークと最後はやらせないシュートブロックなどで自由を与えない。SHを追い越して上下動する運動量があり、ショートパスを絡めた連携で攻撃参加する。
4バックでコンパクトさを保ちながら守備網を張る。コレクティブでオーガナイズのある守備をするために、特にSBとSHとDHには、運動量が求められる。
パスレシーブの得意なSHがおり、少ないタッチのパスワークでゴールを目指す。
優秀なキッカーと攻撃の得意なCBの組み合わせにより、セットプレーでも得点が取れる。
そもそも、一言でサッカーを表すなんて無理だ。一言で言い表せる名古屋”らしさ”ではないが、このようなミクロに見た特徴をつなぎ合わせたものがチームカラーであり、歴史であり、伝統になるのではないかと思う。
風間監督の時代もフィッカデンティ監督の時代も当てはまる部分がかなり多いと思うのだが、いかがだろうか?選手が変わっていないので当たり前なのだろうか?
最後に
川崎の芝が碧すぎて同じ方向を目指したくなるけど、選手を1から揃えるなんて非効率だし、監督が代わればその方針が継続されないのが常だし、そもそも川崎とは違う歴史の名古屋で完成するのかも予測不可能だ。
「攻守一体の攻撃的サッカー」の中身を少しづつ明文化して、わかりやすくしたいと思ったのがきっかけでこのブログを書いた。しかし、私に定義するような権利も能力もない。ただ、チームの中にもファミリーの中にもそれぞれの名古屋”らしさ”が既に存在し、それらを結晶にして集められれば、ファミリーの期待する名古屋グランパスの姿に少しづつ近づくのではないかと思っている。
クラブの歴史、環境に照らし合わせて、皆さんはどんな名古屋グランパスが”らしい”と思いますか?
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