名古屋(H)1-0FC東京(A)/豊田スタジアム/2020.11.15
得点者(名):マテウス
得点者(名):マテウス
FC東京戦は、”際どいジャッジ”、”前田アウトサイドトラップ”、”ジェソク一人でアダイウトンのカウンター阻止”、”マテウスAT弾”などエモーショナルな試合になりました。そんな、シーズンべストの一つである今節を、前段はFC東京目線から、後段は名古屋目線からレビューします。
グランパスのスタメンはこちら。↓
ダイジェストはこちら。↓0秒でスタメン出ます
FC東京のスタメンはこちら。↓明治安田生命 #J1 第27節「vs #FC東京」(@豊田スタジアム 19:00 KICK OFF ) #grampus スターティング11⚽️#AllforNAGOYA で、#grampus に関わる全員で、闘いましょう🤜🤛🔥
— 名古屋グランパス / Nagoya Grampus (@nge_official) November 15, 2020
📺#DAZN▶️https://t.co/4VPpK6UXib
🔵🔴#STARTINGXI #TokyoNagoya
— FC東京【公式】🔜11.18(A)仙台戦 #STAYWITHTOKYO (@fctokyoofficial) November 15, 2020
vs #名古屋グランパス
スターティングメンバーが発表されました!!🔵🔴#AiR#STAYWITHTOKYO #fctokyo #tokyo pic.twitter.com/zGtNIRGeIQ
FC東京の状況
FC東京の状況については、事前に直近の試合を見返していなかったので詳しいことはわかりません。結果だけ見ると、直近5試合で1勝4敗、直近11試合で複数得点が1回と、得点力不足で勝ち点が伸びていないと思われます。
その得点力不足解消のためか、レアンドロを中心に据えた戦略を取ってきたと思います。レアンドロは、意外性のあるパス、推進力のあるドリブル、正確なシュート、多彩なキック、強靭な体を活かしたキープと攻撃の選手に必要なものを何でも持っている選手だと思います。一方守備は、なんというか波があるというか、ムラがあります。(マッシモに預けるとマテウスの様に守備するかもよ。)
FC東京は攻撃時4-2-3-1、守備時4-4-2でした。前回の名古屋戦で嵌った4-3-3ではなかったので意外でした。名古屋戦を中2日で迎えていたり、次節仙台戦の後にACLを控えていたり、という状況が影響しているんだと推測します。前回対戦の4-3-3では、IHに負荷偏っているように見えたので、省エネも考えて4-2-3-1だったのかもしれません。
戦術レアンドロ
先ほど述べたレアンドロを中心に据えた戦略とは、トップ下に入った高萩とポジションチェンジしながら、レアンドロの守備負担を減らしつつ、中央で攻撃に絡ませるためのものです。つまり、以下のような狙いを両立するものです。
- 守備時には左SHにいて欲しい。
- 攻撃時に左SHから中央にドリブルをすることで、名古屋の守備陣形を崩しつつ見方のフリーランを引き出す。
- 高萩がバランスをとることで、レアンドロが攻撃時にフリーマンとして動いても全体の陣形に影響が少ない。
- ポジションを頻繁に交換することで、レアンドロの守備の緩さに的を絞らせない。
実際、攻撃時には効果を発揮していたのですが、守備面での副作用もあったのではないかと思います。例えば、以下のようなものです。
- 名古屋CBのビルドアップに対するコース限定が甘くなった。中央にアダイウトンとレアンドロが2トップに並んだ場合もそうだが、高萩がいる場合でも高萩一人が頑張っている状況だった。(4人の並びが変わるために、どこに追い込もうかという意思統一が曖昧になっていた?)
- 名古屋がボール回収後に密集からボールを逃がすことができていた。(ポジショニング、守備意識が高い高萩が中央にいないことが影響?)
攻撃に力点を置くためにとった戦術レアンドロは、後半にやめてしまったので、今回は嵌らなかったと言えるでしょう。
後半はアウェー戦で苦しめられた4-3-3に
後半は4-3-3にして、IHのどちらかが名古屋のCBに規制をかける形に変更してFC東京が盛り返してきました。特にディエゴと吉田のマッチアップにはハラハラしました。ひたすらサイドに起点を作られる方が名古屋としては嫌だったかなと。
最初からこの形にしなかった理由は、わかりません。IHの運動量が見込めなかったためか、IHが前に出た背後を狙われるようになったためか。前回対戦の印象が悪すぎるので、前半から4-3-3では無かったことは、名古屋的には助かったと思います。
「好不調の波の低い時で良かった」という感想のFC東京戦でした。好不調の波が激しいという意味では、他人事とは思えませんw。名古屋戦も終わったのでALCでは復調して、J1リーグの代表として優勝して欲しいなと期待しています。(来年のACLは名古屋にまかせていただいて・・・)
名古屋の状況
金崎・山崎を負傷で欠き本職CF不在、2試合勝ち星なし、今季ワーストといえる前節の広島戦、攻撃に見どころの無い塩試合・・・という苦境でした。
そんな状況でも名古屋はシステムを変更することなく、阿部浩之をCFに据えた”いつも”の4-2-3-1でした。(4-4-2という見方もあるかもしれませんが、阿部浩之が降りてくることがほとんどなく、フリーマンはシャビエルの役割に見えたので4-2-3-1としています。)
マッシモ、ツンデレか!積み重ねと微修正による好ゲーム
前節の広島戦とは打って変わって、攻撃に見どころの多いゲームを、苦手のFC東京相手に見せてくれました。「できるならやれよ。」ってファミリーが総突っ込みを入れつつも、大きなシステム変更をすることなく、微修正を積み重ねて好ゲームにする手腕には「本当にありがとうございます。」です。
今節の攻撃は、従来に比べて以下のような微修正が入っていたともいます。
- 遅攻を増やす。縦に速い攻撃ができない場合は、じっくりやり直す。
- SHとCFはポジションを守る。特に逆サイドまで顔を出しがちなマテウスもあまり動かなかった。CFがターゲットにならない分、パスルートを偏らせない意図があったと思う。
- CFは阿部浩之。シャビエルと比較して、ミドルレンジのシュートの正確性があり、CBの近くにポジションを取りながらもCBを背負わないポジショニングができるため。
- サイド攻撃では、SHが周りを置いてきぼりにしない。
- サイド深く侵入できたら、選手の距離感を近くしてショートパスで崩す。
- ヘディングを目掛けたクロス入れない。
- 距離感が整ったら、横方向へのドリブルやショートパスを使って、DFラインの裏やマイナスのラストパスを狙う。
また、上記のような攻撃は、ミドルゾーンでのボール回収にも効果を発揮し、守備にも好循環をもたらしたと思います。もちろん、”オジェソクの一人完結ディフェンス”や”前田シャビエルの守備強度の復活”や”米本の気迫”も大きかったですがね。
さいごに
27節FC東京戦は今シーズンのベストゲームの一つになりました。
今シーズンは、相性やチーム状態により戦い方を変えています。そのなかで、9節の浦和戦(6-2)や12節の川崎戦(1-0)がベストバウトとして思い浮かぶと思います。私は、1節の仙台戦(1-1)も好ゲームだと思っているのですが、今節のFC東京戦は仙台戦に似ていると思いました。つまり、今シーズン積み重ねたものを出したゲームだったと思います。
例外的な強さの川崎を除けば、名古屋は今シーズン最も波の無いチームです。そりゃもう、ここ数シーズンの大波を思うと隔世の感があります。
残り5試合。抜群の安定感を自信にしてALCをぜひつかみ取ってほしいですね。
コメント
コメントを投稿