スキップしてメイン コンテンツに移動

レビュー)ルヴァン準決勝 FC東京 vs 名古屋~祝!初の決勝進出!

名古屋(A)1-2FC東京(A)/味の素スタジアム/2021.10.10
得点者(名):稲垣祥
得点者(東):アダイウトン、高萩

やりました、初のルヴァン決勝進出!!初めてルヴァンパーティーに呼ばれた気分です。死闘という表現のふさわしい一戦でしたね。

一言で総括すると、マテウスのクロスを決めとけや前田!!

ホームの1戦目を軽く振り返りつつ、アウェーの2戦目のを中心に、嫌がらせの得意な両監督の思惑を想像しながら、特殊タスクを与えられた選手にも触れつつレビューします。

急造DFライン

ホームはどんな試合だったっけ?って方のためにダイジェストはこちら↓


DFラインに不在が多いFC東京に対し、ホームは3-1で勝利した名古屋。DFのミスに付けこみ先制、デザインしたセットプレーで追加点、1点返された後にショートパスの連携からダメ押し、と理想的な戦いでした。

FC東京としては、急造DFラインのため守備時532で構えつつ、アダイウトン・田川などの交代選手で攻勢をかけようというゲームプランだったと思います。その中で、特殊なタスクを与えられていたのが、左SH?WB?に入った渡邊凌磨です。

名古屋が押し込んだ場合には、5バックのラインまで下がり、その後、対面の成瀬俊平にボールが入ると、マテウスをカバーシャドーで切りながら猛然とかなりの長距離をプレスに来るというタスクでした。

逆サイドの吉田豊に対しては、2列目の三田がプレスに行って、DFラインまで下りることはなかったので、FC東京は、右サイドは442風、左サイドは352風という守備陣形にしてきました。

渡邊は攻撃時には、左の幅取り役として、オフサイドラインに近い高さの位置まで侵入。かなりの運動量を要求されるタスクでした。成瀬は、内に入ったディエゴに引っ張られていたので、サイドに張った渡邉にボールが渡ると危ないなと思っていたので、ボールが入るのが少なかったのは助かりました。

長谷川監督的にはこれまでのベースを活かしつつ、ざっくり、渡邊にシステム変更で出来る穴を2人分走って埋めてね♡ってゲームプランだったと思います。全体を変えるような時間はないんでね。

それを知った成瀬は、ボール保持局面でマテウスとの距離を取ってCB近くでボールを受けるのですが、渡邊がプレスをかけに来るまでの時間がある割に、効果的な組み立てに関与することが事できませんでした。もちろん一人が悪いわけではないですが、対面がオーバータスクなので、綻びを突いて試合を決めるような働きを期待しており、「もっとできるぞ、成瀬!」と思った第1戦でした。

と、本筋とは全く関係のない成瀬への不満(激励)を入れつつ2戦目に行きます。


引きこもらないもん

渡邊は監督の信頼が厚いようで、第1戦では3つのポジションを変わりながら90分戦い、第2戦は本職ではないSBに入りました。キックも正確で、レアンドロに代わるプレースキッカーとしても重要な役割でした。2点取らなければならないFC東京のスタメンは、高萩、アダイウトンも先発に名を連ね、4231で攻撃的な両SBを入れて、攻める気マンマンです。

一方の名古屋は、4141ベースながら、前から守備するぜ!ということでミドルゾーンより前では、長澤和輝が1列前に上がり442、ディフェンシブサードでは長澤・稲垣・木本を3センターにした4141とします。長澤は、かなりの上下動を迫られる特殊タスクです。攻撃時には3センターでボール保持の安定により時計を進める意図もあったんでしょう。

しかし、これが超空転!!FC東京の圧力にも押されて劣勢が続きます。

まず、前から嵌めるために長澤と柿谷曜一朗を並べたのに、全然規制がかかりません。(汗)

それもこれも高萩のせい。FC東京はボール保持局面では、両SBを高い位置にあげ、その代わり2CBと青木拓矢に加え、高萩、安部柊斗がビルドアップに加わり、ゲームを作ります。高萩がCBーSB間に降りたり、高萩と青木が入れ替わったり、高萩とディエゴでアンカー木本の両脇を狙ったりと。効果的に的を絞らせません。

どうも、勢いが止まらないと考えたマッシモは、中盤3枚をマンツー(青木ー長澤、安部ー稲垣、高萩ー木本)に変えました。それじゃ、ディエゴが浮くじゃん!?ってことで、それも一瞬であきらめ、3バックに変更しました。後半には、背後へのカバーリングのスピードを重視して、3バック中央を木本からミンテに変更しました。

では、何でここまで受けてしまったかって話です。それは、攻撃面で名古屋の両SHをうまくFC東京に抑えられたからです。

名古屋からしてみれば、FC東京の攻撃的な両SBは狙い目でした。前がかりな相手は大好物とも思っていたはずです(そこのあなた)。ミンテ・木本からマテウス・前田へのロングボールで裏返してカウンター・・・ってのが勝ち筋のはずでした。しかし、それができなかった。

理由は、マテウスや前田にロングボールが入った時点で、CBがサポートに行って早めにSBとのダブルチームを作ったからです。そうすると普通、中央が空くわけですが、名古屋の中央はそもそも人が少ない。健太は見切っていたんですね。健太の勝ち。

だから、前田決めておけやー(怒)

それじゃあ、中央にも起点を作ればいいんでシュビルツォク。ということで、やっとボールが収まるようになり、名古屋の攻撃も増えていきます。(その矢先、2失点目しますが……)

また、「中央に人数増やしゃいいんでしょ。走るのはタダ。」と言わんばかりに、稲垣がゴール前に侵入します。そして決勝点となるゴール。いつも笑顔の稲垣は、私には闘将に見えました!!!

FC東京は、試合開始からかなりオーバーペースだったので、最後は永井にもボールが収まらなくなり、永井にもボールが収まらなくなり、そのままトータルスコア4-3で決勝にコマを進めることができました。

マッシモ的には「腰の引けた戦いはしないぞ」ってのが空回りしつつも、配置の策を繰り出し、森下を残しマテウスを下げるなど、ぎりぎりの決断を伴う交代策で、決勝進出に導きました。状況を見る力を示せた采配だったと思います。


結局、個

この準決勝2戦は、個の力によって大きく勝敗の行方が揺れ動きました。

2失点目の高萩のゴールは、実は起点も高萩です。サイドで、ディエゴのコースを吉田が背中で消している場面で、ワンタッチで浮き球のパスを通したプレーが起点です。吉田はディエゴに先手を取られて長距離ドリブルを許し、最後はこぼれ球をゴール前まで走った高萩が押し込みました。高萩の個の力です。

稲垣もこぼれ球を押し込みましたが、終盤になってから誰よりもゴール前に進出していました。チームを勝たせようという、個の力です。

1点目のアダイウトンのヘッド。ヘッドなのにミッチのグローブを弾くほどの威力。個の力です。アダイウトン、ディエゴ、ダミアン、ジェジエウ、首の太いブラジル人は苦手です。首の太いポーランド人は好きです。

野獣系オーバーヘッドアーティスト、マテウス(クリア1回)とアダイウトン(シュート1回)はアダイウトンが芸術点で判定勝ち。


さいごに

何の話か分からなくなりましたが、ルヴァン決勝はC大阪です。木本・柿谷も期するものがあるでしょう。途中交代のシュビルツォクの活かし方がこれまでの試合で最も良かったと思ったので、期待も高まります。

リカロド浦和じゃなくてよかったって、思ってるあなた!足元救われますよ!

和泉に優勝見せてー!!(プレーは好きよ♡)



トップページのブックマークをお願いします。
更新情報をツイートします

↓クリックすると
↓みなさんのグランパスブログが見れます
にほんブログ村 サッカーブログ 名古屋グランパスへ
にほんブログ村

 

コメント

このブログの人気の投稿

レビュー 磐田 vs 名古屋 

まずは、25節 磐田戦のダイジェストから。 19 - ワールドカップによる中断明け以降、名古屋と川崎はリーグ最多タイの6勝を挙げ、共に勝ち点19を獲得している(1分1敗)。名古屋は中断までの15試合でわずか勝ち点9に留まっていた。風。 pic.twitter.com/NA3kFUmzCQ — OptaJiro (@OptaJiro) 2018年8月31日 10 - ジョーは8月に出場したリーグ戦5試合で10得点。optaがJ1のデータ集計を始めた2015年シーズン以降では、月間最多得点を記録した。じぇじぇじぇ。 pic.twitter.com/QZllupLF5g — OptaJiro (@OptaJiro) 2018年8月31日 6/13 > 5/119 - 金井 貢史は昨季までのJ1通算119試合で記録した得点数(5)を、今季出場13試合で越えた(6、このうち2点は横浜FM時の6試合で記録)。開眼。 pic.twitter.com/UCehYGmf7x — OptaJiro (@OptaJiro) 2018年9月1日 今節のプレビュー記事はこちら。 名古屋が7年ぶりの7連勝です。名古屋6-1磐田で快勝しました。監督は絶対に認めないでしょうが、サポーター的には風間サッカー完成ですね。暫定順位も11位、得失点差もー2と持ち直してきました! 〈雑感(良いところ)〉 練習してきた技術がゴールに結びついた。足元に強いパスを入れて、トラップで抜け出す形や2列目以降がスルーパスに抜け出す形でゴールを量産した。今の好調を支えるのは、五分五分の試合展開でも崩しの形をゴールに結びつける決定力だ。正直相手が対策しにくい攻撃パターンなので、選手の体調不良だけが敵という印象である。 名古屋のリトリート時の守備は、徹底して飛び込まず、ボールホルダーの前に立ち、ミスを狙う守備を続けた。田口などの遠目のシュートはシュートブロックだけしっかりしてコースを限定し、ランゲラックに任せる。磐田はある程度ボールを回せるので、パスを選択→難しいパスを選択してボールロスト→バランスの悪いポジショニング時にカウンターを受ける。つまり、これは名古屋が調子の悪い時に失点していたパターンだ。この守備戦術により大量得点が引き出されている。 カミン...

鹿島 vs 名古屋~平常運転で新エース始動~

名古屋(H)1-0鹿島(A)/豊田スタジアム/2023.8.13 得点者(名):野上結貴 まずは、23節 鹿島戦のダイジェストから。0秒でスタメン出ます。 サマーブレイク後、優勝に向け、まずは守備の引き締めから・・・ってな監督からの指導が入ったのか、入っていないのか、いや入っているにちがいない、 公式戦3試合連続のクリーンシートで勝利を飾った鹿島戦 。 試合経過に沿ってレビューしたあと、森島司についても少し書いていきます。 開始から飲水前はセットプレーべた引きから 鹿島戦の名古屋の守備の何が硬いって、 セットプレーからは絶対やらせないマンと化した名古屋 でしたね。 そらそうしますよ、なんせ今季鹿島の得点は、 セットプレーとクロスから20点、優磨と関川と植田で14点 。これは完全な想像なんですが、横からのハイボールに顔面ド迫力ヘディングで決めたに違いない。怖い怖い。 クロスからのヘディングゴールの復権を狙っている鹿島の好きにはさせられないと、“現代サッカーの雄”名古屋も対抗します。「ヘディングでゴールさせなければ勝てるやろ」と言わんばかりに、開始15分までの自陣CKやFKのセットプレー時は、FP10人で守る人海戦術に出ます。「普通は1~3人カウンター要員を攻め残りさせると思うんですけど・・・」試合開始から健太監督の強い意志を感じずにはいれない、終盤の様な序盤です。 案の定、セカンドボールは鹿島のもの。そして、飲水まではシュート数も3-7で鹿島ペースですorz・・・とはいえ、鹿島はブロックを広げる意図の濃い戦略ミドルシュートが多く、ユンカーのヘディングなど名古屋も鋭いカウンターを差し込みつつだったので、決定機的には五分の印象の序盤戦でした。 森下を中継点としたサイドチェンジ 29、32、36、39分と 森下を目がけたサイドチェンジを起点に攻撃します。 前節の森下のゴールもそうでしたが、WBを起点にインナーラップ→低いクロス→フィニッシュという再現性のある攻撃で、36分の野上の先制ゴールを当然のごとく獲得しました。すばらしい。 一方の鹿島の攻めはというと、先ほど横からのハイボールのヘディングが怖いと言いましたが、基本的にビルドアップのバリエーションが多く、どこからでも攻め込める強敵でした。 遅攻になると3-1-6 的な形で、ピトゥカが下りて、両SBが上がり、SHが絞ると...

2024名古屋グランパス 編成の妄想

2024.1.14新体制始動ということで、今年のスカッドについて好きなように妄想を書けるのは今だけなので、久しぶりにブログを更新したいと思います。 今年の編成の感想 今年のスカッドを見て、違和感を感じた。その違和感の正体は、3か4か分からないこと。 以下にミルクボーイ調で4バックなのか3バックなのか考えてみた。 監督が昨年やり方を踏襲すると言っている。3バックで決まり。 フィジカルに長けた上下動できて守備も信頼できる名古屋風WB(相馬、森下、豊)が1人もいない。なら3バックちゃうか。 右SB適任者が、再レンタルも想定される成瀬しかいない。やっぱり3バック。 ただ、獲得したサイド選手(山中、小野、成瀬、山中)はみんなWB未知数。ほな3バックじゃ無いか。 3バック維持するとしても丸山、藤井、中谷の移籍で作り直しは必至。ほな3バックじゃなくてもよいか。 1枚目2枚目過多でDF枚数を減らしたい。ほな3バックじゃ無くてもよいか。 去年、後ろに重たかった。ほな3バックじゃない方がいいか。 福岡、日本代表など4と3を併用するクラブが出てきた。 新体制発表会、長谷川監督「3も4も様子を見ながらやっていきます。」4バックやるって言ってるやんけ! とミルクボーイ調もかなり崩れているが、4バックをやるっぽい。てか、やって欲しい。 どうも、 フォーメーションをシーズン・時間帯を通して使い分けると考えて間違いなさそうだ。 ちなみに4231に当てはめてみたのがこちら。我ながらまんざらでもない。理由は、 エルボーバック(SBの片側を上げ、逆側にCBのできるSBを置く)の4231をベース に妄想しているからだ。 左上がりエルボーバック もう少しエルボーバックを掘り下げよう。一例として、左SBを上げ気味にしたエルボーバック4231を示す。右SBに野上が入ることで、 試合中に3バックにも可変できる というわけだ。 この場合、久保と山中で幅を取り、左WGの森島を内側に絞らせることで、森島、山岸をSTとする3421的にも振舞える。森島がいい感じにライン間で仕事をしたり、下りてきたりが可能になる。この形は森島が活きる。ちょっと守備の怖い(失礼)、トージロー君を前目に残せて活きる。上下動の運動量に不安のある(失礼)、山中の負担も減り活きる。 昨シーズンは後ろに重たいことが課題 としてつきまとった。試合序盤など...

レビュー)川崎 vs 名古屋~勝った以外は生き地獄~

名古屋(H)1-0川崎(A)/豊田スタジアム/2020.8.23 得点者(名):金崎夢生 これ以上ない美しいゴール、イタリア流ウノゼロの美学で勝利した川崎戦。 一言で言えば、「最後はやらせなかった」守備の勝利でした。この試合のMOMを挙げるなら、私は吉田豊にします。シュートブロックや、クロスへの寄せや、ゴール前になだれ込む選手へのタイトなマーク。その一つ一つが重なってこの試合の勝利を勝ち取ることができました。 一方、ゴールシーン以外の多くの時間で見た”生き地獄”・・・歯を食いしばり、視界が狭くなっていくのを感じ、胃の痛くなるような90分。 「あなたは前半と後半のどちらの地獄が嫌ですか?」「私は断然、前半が嫌です。」なぜなら、”前半は構造的に崩された”のに対し、”後半はそれを修正して割り切って引いた”と見たからです。 やられた話だけでも何なので、皆さんの語り草となっているゴールシーンについても、気持ち要素多めで書いていこうと思います。 ということで、今回の流れはこんな感じです。 基本情報 生き地獄の前半と割り切った後半 人は何故あのゴールシーンに魅了されるのか? 基本情報 グランパスのスタメンはこちら。強い順にカードを切っていくスタイルの4-2-3-1。ターンオーバー無し。サブに守備陣多めなので、「先制して守り切る」強い意志を感じます。 明治安田生命 #J1 第12節「vs #川崎フロンターレ 」(@豊田スタジアム 18:00 KICK OFF ) #grampus スターティング11⚽️ #おうちでDAZN観戦 ご準備は▶️ https://t.co/rIOJ5UBNhV それぞれの #MyHomeStadium で、 #AllforNAGOYA で、共に🤜🤛 #grampus — 名古屋グランパス / Nagoya Grampus (@nge_official) August 23, 2020 フロンターレのスタメンはこちら。1週間前の札幌戦からWGだけ変えただけです。ミッドウィークのC大阪戦からターンオーバーしています。名古屋戦の特別仕様なのは、WGの三笘と家長だけということかな?確かに2人とも嫌だな。 8/23(日) 明治安田生命J1リーグ 第12節 川崎フロンターレ...