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レビュー)ルヴァン決勝 vsセレッソ~優勝することに意味がある★★★★~

名古屋2-0セレッソ大阪(A)/埼玉スタジアム/2021.10.30
得点者(名):前田直輝、稲垣祥
優勝しました。エヘ。4つめの★。顔の大きさにワイヤワイヤ言いたいアートワークですね。個人的にランゲラックの横は吉田(真剣な眼差し)。

この写真いいですね。↓夢描き未来紡ぎます。

グランパスのスタメンはこちら。
同カード敗戦の天皇杯から中2日。マッシモのマネージメントが問われる試合になりました。天皇杯のスタメンから4人だけ入れ替わっています。でも、疲れを感じさせないプレーを見せてくれました。

一方のセレッソのスタメン。
セレッソは、ジンヒョン、奥埜、山田以外ターンオーバー。坂元も乾も奥埜も怖い。途中から出てくる清武も怖い。けど、一番怖かったのは松田陸ww。そういう意味では、してやったりなのではないでしょうか?

まずは、ルヴァンカップ決勝戦のダイジェストから。


今回は時系列に沿ってポイントをおさらいしていきます。

~前半10分 CF前田効果

開始早々”は”、名古屋の時間帯でした。天皇杯で温存された前田がCFに入った効果が大きいと思いました。マッシモ政権で、たびたびトライし、サポ間で受けの悪かった前田のCF起用が、ここにきて形になっています。それは、前田のCF起用がチームの課題を解消しているからでしょう。

チームの課題とは、”ボール保持時にサイドレーンでSBからSHへの縦パスを多用する”問題です。読まれようが続けるので、あとはSHのコンディションを祈るのがファミリーの役目です。相手も狩り所として狙っています。

この課題に対し、CF前田が効果を発揮します。例えば、SB宮原がボールを持ち、中切りプレスをかけられた場合です。SHマテウスが足元で受けようと相手SBを引き連れて降りてきます。SBが上がったスペースに前田が流れて裏を狙います。足元と裏の2択を相手SBには迫り、CBをつり出す事ができます。

本来CFがいるべき中央から、SBの裏まで流れてボールを受けるには、かなり運動量が求められます。しかし、右だけではなく左サイドにも顔を出し、自分のスピードとドリブルが活きるスペースを見つけ、前田らしい仕掛けができて、効いていました。チームを助け、チームに活かされていることも好調の要因でしょう。

~前半終了 セレッソのボール保持とカウンタープレス

開始10分もすると、試合の主導権はセレッソに移ります。小菊監督がHTコメントで「カウンタープレスをつづけよう」と述べてましたが、名古屋はボール保持とカウンタープレスに苦しみます。

前半6分ぐらいでしょうか、名古屋の猛攻を落ち着かせるために、乾が左HSで下がってボールを受け、ゆっくりボール保持を始めます。この日の乾はゲームメイクに効いていました。

セレッソはボール保持時には、442からの可変フォーメーションで、主に2パターンの立ち位置を取っていました。2つのパターンは坂元の位置が外側か内側かで見分けられます。

この場合は、坂元が外側で幅取り役の場合。
3バックには松田陸が残り、奥埜ー原川ー乾と中盤に足元の上手い選手が並ぶことで、ボール保持を安定させます。幅取り役は、丸橋と坂元です。

この立ち位置によって、名古屋のSHの守備に迷いが出た事が押し込まれた一因でした。

この試合、乾はHSの低い位置まで下りて、攻撃の起点となりました。マテウスは、CHを助けるべくサポートせざるおえません。一方、幅を取る丸橋と乾の間の距離が遠いため、丸橋へのプレスが間に合わない場面も出ていました。マテウスが中間ポジションで構えにくい遠さでした。

逆サイドでは、松田陸が正確なキックでゲームを組み立てます。そのために、相馬は陸のケアに行きたいところですが、同サイドには最も警戒すべき坂元がいます。坂元が、SB吉田とSH相馬との中間に位置取りすることで、相馬の守備にも迷いがでて、プレスの出足が遅くなっていたと思います。

もう1つの保持パターンは、坂元が内側に入り、原川が降りて、松田陸が幅を取るものです。この立ち位置はセレッソのSBが高い位置に侵入し、名古屋の4バックに1人づつ人を当て、トップ下の奥埜や内側に入った坂元に数的優位をもたらしたい意図だったと思います。

セレッソは、この2つのパターンを使いわけながら、ボール保持で攻撃します。名古屋は押し込まれているのでボール奪回位置が、かなり自陣ゴールに近くなりました。そして、セレッソのカウンタープレスです。全然、ボール奪回後もボールが落ち着きません(涙)

また、GKへのバックパスなどで少し時間があると、セレッソは424で、オフェンシブサードからプレスをかけ、名古屋のGK-DF陣にロングボールを強要してきました。
ここからひっくり返せないのは、QF浦項戦の後半などにも見られた今年の課題ですね。優勝したので、来年の積み上げに期待しましょう。(文中の変な位置での総括!!)


~後半30分 ドン引き

後半直後のCKで先制します。セットプレーで苦杯をなめた天皇杯を、セットプレーでやり返す、陰湿なリバウンドメンタリティー。さすがマッシモのチーム。ストーンの背後に位置取りした柿谷がニアに走って擦らせるサインプレーですかね。

後半10分には、解説陣に「守りに入るには早い」と言わしめたドン引きサッカーを始動します。そして、何も起こさせない。これこそ今年の名古屋という展開でした。

実際、乾・原川・陸のミドルシュートが一番可能性が高かった。それぐらい、決定機らしいものも作らせませんでした。どや。(シュート位置のデータがあったら見てみたい。)

HTに清武コワイを投入。裏抜けの得意な大久保、豊川を投入。前線に高さ無し。じゃあドン引きで。理にかなってます。セレッソは、裏をかくことなくショートパスのコンビネーションで崩すことが多くなり、名古屋はあっさりボールを捨てるクリアを連発します。なんせ柿谷の位置がディフェンシブサードからほぼ出ない状態。システムで表すと820みたいな(蒼白)。

途中、斎藤学と長澤を入れ、451に。一瞬プレスラインが上がりますが、すぐ戻ります(汗)。これがシュビルツォクが入る後半30分頃まで続きます。チームの共通理解で意図的だったと考えないと理解できない、ちょっと異様な展開でした。

最終的に、乾にも清武にも大久保にも坂元にも仕事をさせなかったのだから、意図的なドン引きに違いない。いや、そう願いたい。


~試合終了 今年を象徴する稲垣祥の追加点

シュビルツォクが入ってすぐカウンター発動。クバが入ることでクリアが収まるようになり、学と2人で持ち上がり、クバのシュートの跳ね返りを、稲垣が地面に叩き付けるきれいなミートで追加点を奪います。今年を象徴するようなゴールでした。

ゴール後、抜かれる乾アップのスロー映像にフジテレビ感を感じずにはいられません。何故、得点側じゃないのか。何故、カビラなのか。そういうとこだぞ、フジ。そいで中継はありがとう。

追加点後は、531+クバみたいな陣形にチェンジ。学に2人分走ってもらって、「マテウスのIHをあきらめない」みたいな、これまた今年のマッシモらしい逃げ切り策でタイムアップをむかえました・・・とさ。


さいごに


ルヴァン優勝に至るまでは、かなり苦しい状況でした。

直近1分け3敗10失点。
中2日3連戦目。
ACLバブル方式中。
浦項戦・神戸戦と後半耐えきれない、疲労の蓄積。
丸山・米本・阿部など主力の負傷。
天皇杯ターンオーバーの相手に0-3敗戦。

負ける言い訳を探せば、いくらでも見つかるこの試合。それでも、この試合は疲労を感じさせず、勝ちをもぎ取りました。

11年前にJ1優勝を決めた湘南戦(ちなみに湘南は同年降格。)も極めて渋い試合でした。ただ、11年前のスカッドは、今でも記憶に残っています。

そして、今年のルヴァン決勝も激渋だった。そして、今年のスカッドも優勝したことで、深く記憶に刻まれることでしょう。だから、優勝することに意味がある

まだ、シーズン終ってません。今の戦力を維持するためもACL出場権は必須!!そのためにリーグ3位も勝ち取ろう!!いや、川崎に天皇杯取ってもらって4位でもOKにしてもろて・・・。


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