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パナマ vs 日本~テストマッチの成果は?~

日本(H)3-0パナマ(A)/デンカビッグスワン/2018.10.12
得点者(日):南野 伊東 オウンゴール
得点者(パ):

森保JAPAN初陣に続き3-0で完勝

森保JAPAN初陣のコスタリカ戦のレビュー記事はこちら。

初陣に続き、パナマ戦も勝利を収めました。試合の位置づけとしては、アジアカップに向けたチームの構築が目的なので、その観点で戦評を進めていきます。

10月シリーズでは、次のウルグアイ戦がレギュラーだと思われます。パナマ戦のスタメンは、半数がレギュラー、半数がサブというテストをしているでしょう。サブと思われる、佐々木、冨安、室屋、三竿、伊東辺りの選手のパフォーマンスは全選手が及第点だったので、テストとしては成功でした。

その中でも、室屋はチャンスに多く絡み、そのチャンスの1つでもゴールになっていたらMOMの活躍でした。冨安も全く若さを感じないプレーで、本番に向けた良い慣らし運転になりました。

攻撃では3つのビルドアップをテスト

攻撃では、コスタリカ戦に続き、裏抜けを強く意識した攻撃で3点を奪いました。パナマの守備力を考慮し、結果を鵜呑みにしてよいかは疑問ですが、攻撃の形のテストはしっかりできたと思っています。そのテストとは以下の3つのビルドアップの形です。

フォーメーション図上の日本の形は4-4-2ですが、時間帯が変わるにつれて、攻撃時には3-1-5-1、2-4-4、アシンメトリーな3-2-4-1という3つのパターンをテストしていたように見えました。

攻撃ビルドアップ①3-1-5-1


この形は、試合開始の形で、青山がCB間におりて、両SBがSHの横まで高い位置を取るというものです。狙いは、後ろの3枚からの縦パスを前6枚がなるべく高い位置を取りながら、交互に裏抜けとライン間受けを狙い、ボールを受けた選手の脇の選手が前を向いて受けたり、追い越してスルーパスをもらったりというものでした。

この形は、相手が2トップのため、後方で常に数的優位を保つことができます。また、裏を狙い続けることでパナマDFに圧力をかける意味で効果が高かったです。試合開始直後など、リスクの低い戦い方をしたい場合にも有効だと思います。また、コスタリカ戦もこのイメージが強かったので、主なメカニズムとしてはこの形が森保JAPANの基本形だと思います。

攻撃ビルドアップ②2-4-4

前半途中からは、この2-4-4の形になりました。この形は、相手が4-4-2のミラーゲームになっても、ボールを前に運ぶことが出来るかというテストだったと思われます。マッチアップする相手が決まっている中で、SBやボランチを経由して、相手を外しながら前進する意図でしょう。

この形は、3つのパターンの中で、一番難しかった印象です。そもそも、相手が1トップの場合以外は使ってこないのではないでしょうか。

攻撃ビルドアップ③アシンメトリーな3-2-4-1

終盤になると、両SBのうち佐々木はあまり上がらず、室屋だけ上がるような形になっていました。見方によっては、4-4-2から3-4-2-1に変えただけとも言え、試合の流れで3バックにしたのかもしれません。

上記の3-1-5-1に比べ、ボランチを経由したショートパス主体のビルドアップがしやすく、2-4-4よりも室屋の攻撃力も生かせる形になります。この形は、3-1-5-1で長めのパスが「3」から入らなくなった場合に有効だと思います。

このように攻撃では、いろいろな形を試すことが出来たのではないでしょうか。

守備のテストは?

この試合、前線からプレスをかけ、2~3人で囲い込んでボール奪取するシーンが沢山見られました。一方、前線からのプレスを掻い潜られると、中盤に選手がおらず、スピードに乗られて、自陣深いところまでカウンターで到達されるという形が多くみられました。

高い位置でボール奪取するか、自陣深く攻め込まれた後のクロスを跳ね返すかという両極端な2つのパターンが多いのがこの試合の特徴でした。前者はテストしたかったことで、後者は課題と考えるのが順当だと思います。

しかし、意図的とも取れる部分もあります。つまり、カウンターで攻めたパナマの攻撃は人数が少なく、クロスにたくさんの選手が流れ込むという展開はありませんでした。その意味で、この攻撃を繰り返させても、「それほど怖くない」という判断も間違いないと思いました。これは対戦相手にも依存するので、常に良い戦略とはなりませんが・・・

真価が問われるウルグアイ戦

強豪ウルグアイ戦は、コスタリカやパナマのようにはいかないでしょう。アジアカップに向けて課題の出る熱い試合を期待したいものです。


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