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日本 vs キルギス~引いて守るをこじ開ける~

日本(H)4-0キルギス(A)/豊田スタジアム/2018.11.20
得点者(日本):山中、原口、大迫、中島

「引いて守るをこじ開ける」レッスンの成果は?



アジアカップを想定した強化試合として、引いて守る相手に対して、どうこじ開けて攻撃するのかという事が、この試合の課題でした。その点で、再現性のある崩しの形があったと思ったのは、中継ではあまりクローズアップされなかった、伊東と室屋のユニットからの攻撃でした。

この試合キルギスの守備時のフォーメーションは5-4-1でした。日本は、4バックが台形に広がって素早いパス交換をし、キルギスの中盤の4枚をスライドさせながら、中央への縦パスや、サイドからの崩しを狙っていました。

この際に、右サイドの室屋にボールが渡り、相手MF4枚のスライドが遅い場合に良い攻撃が前半多くみられました。室屋にボールが入るとキルギスWBが詰めてきて、その裏の空いたスペースをハーフスペースに陣取った伊東が裏を突くという形です。

この形は、左サイドでは起こりませんでした。左サイドは原口がハーフペースで下りてきてボールを受けることが多かったのですが、相手WBはついてきません。そのため、キルギス守備陣形を動かすことが出来ていませんでした。

後半、中継で絶賛されていた中島もどちらかというと下がって受けていたので相手守備陣が沢山いるところにドリブルを仕掛けており、あまり効果的ではなかったと感じました。

〈雑感(良いところ)〉

  • 4点目は、南野が相手DFに向かってドリブルし、その相手DFの裏で堂安が受け、その堂安に寄せにいったDFの裏で中島が受けと、相手のDFが見えないところへの走り込みがゴールにつながった。
  • 後半の大迫、中島、堂安、南野が前半に比べて特別よかったとは思わないが、堂安が中に入ったり、南野がダイアゴナルにサイドに抜けたりといったポジションチェンジが活発なため、DFの陣形が崩れやすい面があった。
  • 前半の決定機を1つ2つ決めていれば、評価も違っただろう。前半の方が組織的な崩しとしては良かった気がする。

〈雑感(今後に期待)〉

  • 後半は、不用意なボールロストが増え、前半に比べ守備機会が増えた。自分からカオス状態を作りに行って、トランジションを増やし点を取る狙いだったかもしれないが。(3点目の守田の縦パスも、柴崎の縦パスが引っ掛かった後のトランジションの後で生まれている。)
  • 山中とSHのグループとしてのコンビネーションがまだ成熟度していない感じだったので、もう一度、山中を試してほしい。偽SB的な動きとかアンダーラップとかをあまりせず、大外の上下動ばかりだったのは指示だろうか?これまでの森保JAPANの試合でも幅をとるのはSBの役目が多い。
  • 中島が抜けなくなってきている気がする。ドリブルを止められまくる試合もそのうち出てくると思うので、その時真価が問われるだろう。中島の所でロストした場合にポジションのバランスが悪い時が多かった。

正直、相手のレベルのためにあまり参考にならない強化試合でしたが、4点取ったのも事実。実際強いのかどうかは、アジアカップでわかるでしょう。


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