スキップしてメイン コンテンツに移動

レビュー) 清水vs名古屋~400勝~

名古屋(A)2-1清水(H)/IAIスタジアム日本平/2020.7.4
得点者(名):相馬勇紀、OG
得点者(清):金子翔太

400勝5番乗り!
清水戦の勝利で、鹿島、横浜FM、浦和、G大阪に続き5クラブ目の400勝に到達しました。4か月の中断を経て、各選手が様々な気持ちを胸に戦い、足がつる選手が続出の死闘の中、節目の勝利を手にしました。リーチのままぐずぐずしなくてほんと良かった。一方の清水はクラブの誕生日マッチらしいです。名古屋はそういうのをアシストしがちですが、この勝利を見て、フィッカ将によって体質改善されているに違いない!と確信しています。

J1通算、400勝135分351負。10回観戦すると6回負けずに帰って来れるチーム。体感と合ってない・・・っていう貴方。オールドファンもしくはここ数年に参入したファミリーですね。

日刊スポーツの勝敗データを見ると、鹿島(500勝)、横浜FM(450勝)に続く、浦和、G大阪、名古屋、清水、磐田、広島の6チームの間の勝ち数差は33勝しかありません。3番手グループは団子状態です。500勝の節目には、一歩抜け出して確実な3位になるように応援しましょう!!(3強・・・いい響き。)

清水戦の基礎情報
名古屋のスタメンはこちら↓↓

山崎凌吾、太田宏介、米本拓司あたりが出る予想もされていましたが、1節からの変更はシミッチのみでした。

清水のスタメンはこちら↓↓
GKネトヴォルピ、SB石毛、エウシーニョ、CHヘナトアウグストといったの主力がおらず、GK梅田、トップ下鈴木という若手と、新加入の10番カルリーニョスなどか入っていました。NSKも清水移籍後初スタメンとのことでメデタイ。

2節 清水戦のダイジェストはこちら。
「4か月前の第1節ってどんな感じだっけ?」って方は、1節仙台戦のレビューもどうぞ。


2週間前の練習試合(岐阜戦)とは打って変わって面白い試合でした。岐阜戦を3ハーフ見るのは苦行だったので、落差が凄い。岐阜戦の試合後はボヤきたくなりましたが、練習試合は練習試合ですね。(毎回思う。)

今回は、以下の3トピックについて書こうと思います。
  • 金井と相馬
  • クラモフスキー清水
  • フィッカ将は守備的?

金井と相馬
相馬勇紀は、あの性格ですから中断明けのこの試合は、必ず結果を残そうという強い気持ちで臨んでいたと思います。実際、こぼれ球を押し込んで得点も奪いました。しかし、どこか上手くいかない。そして、終了間際のイエローカード2枚目での退場。結果論ですが、金井との駆け引きに苛立ち、若さが出てしまったんだと思いました。

序盤から、相馬は金井貢史に果敢に一対一を仕掛けます。しかし、金井はアフター気味のキッキングを繰り返すことで、決定的な仕事はさせません。敵にするとこんなに小憎たらしいとは・・・金井は序盤にイエローを受けるものの、試合終了のホイッスルを聞けなかったのは相馬の方でした。

最初に「おかしいな」と思ったのは、序盤の吉田豊との連携です。相馬がハーフスペースに絞って受けた時に、吉田がサイドライン際を再三オーバーラップするのですが、一度もボールは出てきません。相馬は毎回カットインして強引にシュートを狙います。

いつもの相馬ならコンビネーションと単独突破をバランス良く使っていく所で、妙に単独突破に拘っているなと感じました。結局、試合を通じて相馬と吉田の連携で吉田が受け手となるチャンスは一度も作られませんでした。そんなところから相馬は冷静さを失っているんじゃないかと感じました。

DAZN解説では、両SBの奥井諒と金井のポジションが想定と逆という話がありました。(ちなみに二人とも右利き)金井は名古屋時代の練習での相馬とのマッチアップの経験から相馬を抑え込める自信があったのかもしれませんし、他の戦術的な意味があったのかもしれません。どちらにしろ、心理戦を含めた試合への影響力では、相馬は金井に抑え込まれたと言えると思います。

相馬には、これからもっともっと成長して試合での影響力を高めて欲しいと思ったので、こんな取り上げ方をしました。1週間後の次々節でこの悔しさを晴らして欲しいと思います。

この試合はリモート応援とかいうやつで、無観客なのにITを駆使して応援が届くという素敵なシステムでした。すごい自然なチャントだった。だだ、もし普通に静かな無観客試合なら、愛くるしい相馬キュンがどんな汚い言葉を審判に吐いたのか聞けたんじゃないかと思うと、それだけが心残りです。ホントに何言ったんだろ?(withコロナの楽しみ方)


清水クラモフスキー
横浜FMからきたクラモフスキー監督が、横浜の様な成功を清水でも修められるのか?清水サポならずとも気になるところですよね?

1節のFC東京戦も見たんですが、エンタメ性は最高です。2試合通じてSBの奥井はかなり良い補強だったと思いました。石毛、金井、エウシーニョとSBは”らしい”選手が揃っていて、名古屋戦でも、偽SB的な動きが随所に見られました。WGも名古屋戦で初出場したカルリーニョスがかなり良さそうです。ドリブルが得意そうですが、ゴールも期待できそうです。ポジショナルプレー潰しにマンツー気味に来られたとしても、質的優位で何とかしてしまいそうな奴です。

そんな中、一番の驚きは、岡崎慎でした。54分、浮き球を足の甲で力を吸収してトラップしたのですが、小野伸二ばりのフェザータッチでした。中盤でさばくワンタッチパスのテンポも良く、かなり好きになりました。トゥーロンとかの試合でも見ていたはずなのですが、岡崎の印象と言えば五輪代表の中央のCBというぐらいで、プレーの強烈な印象はありませんでした。この試合では、CHに入ったからか、攻撃面の良さが印象に残りました。CBとしてもCHとしても、チームを完成するための重要なピースになりそうです。

CF後藤も献身的で気の利いたプレーが出来るのでフィットしそうです。ここまで、クラモフスキー監督が意図する戦いを実現するための補強は成功していると思いました。(強いて言うとGKの足技がネックで、方針転換しないといけなくなるかも。)

ハーフスペースでWGが受けたらサイドのSBにはたく、GKが詰められたらタッチライン際にWGが受けに下がる・・・みたいなオートマチックなプレーで人が居なくて、誰もいない所へパスって場面もありました。とはいえ、そんなにすぐ完成度上げられても困るってもんです。早めに当たっておいて良かったんじゃないでしょうか?


フィッカ将は守備的?
HTの浅野哲也氏の解説にて、クラモフスキーは攻撃的でフィッカデンティは守備的な監督といった文脈の発言がありました。前半のスタッツや試合内容を見る限り、「これまでのレッテルでしゃべってるんじゃないか?今を見ているか?」と思いました。前半のボール支配率、シュート、枠内シュート、パス数すべて名古屋が上回っていた訳ですし。1節を見ても、攻撃的に戦っています。

名古屋追加点のOGのシーンを見ても、攻撃の構築を感じます。
丸山、吉田、稲垣、シミッチ、成瀬、中谷、丸山、吉田、丸山、中谷、丸山、吉田、(ファールを受ける)、阿部、稲垣、阿部、吉田、阿部、稲垣、阿部、丸山、中谷、稲垣、吉田、稲垣、阿部、稲垣、シミッチ、成瀬、前田。
これは、清水のOGにつながる前田のクロスまでにつないだパスルート(27本!!)を示しています。このビルドアップは、最後の前田以外は、ミドルサードかディフェンシブサードでのパス交換です。丁寧に相手を食い付かせていることが分かります。途中の阿部のチップキックの緩い浮き球のバックパス(秀逸)を見ても、相手を食い付かせる餌を撒く意図が見て取れます。(ここだけの話・・・このシーンだけでも、白飯3倍行けます。ファミリーは中毒になるので、ご注意を・・・他チームには名古屋の良さがばれてしまうので、内緒でお願いします・・・・)
浅野さんが清水のサッカーを評して、相手をおびき寄せて攻撃するという趣旨の話をしていました。それ、名古屋もやってますよ。

大分の疑似カウンターと比べると、GKを使わないという意味で前衛的ではないかと。不用意に後ろに下げすぎるのではなく、攻撃への距離が長くならないようにおびき寄せていると思うので。その代わりに幅を取って、質的優位のある選手に最後を預ける設計をしているんじゃないかと思った次第です。

ただ、フィッカデンティ監督はリアリストなので、誤解を生むのも理解できます。清水の様なスタイルの相手にリードしている後半もガンガン行くことは選ばず、引いてブロックを作り、前プレでの消耗も極力抑えた戦いで試合を塩漬けにかかりました。(結構危ないシーン作られたけどね☆)

夏場の連戦という事を考えれば、しばらく前から嵌めに行くようなアグレッシブな守備は見れないと思うと少し残念です。しかし、名古屋は勝ちに拘りながらスタイルを作るというチャレンジをしているので、500勝目ぐらいまでは我慢しなくてはと思ってます。

(なぜだ、なぜDAZNの名古屋OBは、古巣に厳しんだ・・・飯島さんといい・・・なぜだ・・・)

おわりに
ランゲラックありがとう。

次はG大阪戦、水曜もJがあるっていいなー。


トップページのブックマークをお願いします。
更新情報をツイートします

↓クリックすると
↓みなさんのグランパスブログが見れます
にほんブログ村 サッカーブログ 名古屋グランパスへ
にほんブログ村

コメント

このブログの人気の投稿

2024名古屋グランパス 編成の妄想

2024.1.14新体制始動ということで、今年のスカッドについて好きなように妄想を書けるのは今だけなので、久しぶりにブログを更新したいと思います。 今年の編成の感想 今年のスカッドを見て、違和感を感じた。その違和感の正体は、3か4か分からないこと。 以下にミルクボーイ調で4バックなのか3バックなのか考えてみた。 監督が昨年やり方を踏襲すると言っている。3バックで決まり。 フィジカルに長けた上下動できて守備も信頼できる名古屋風WB(相馬、森下、豊)が1人もいない。なら3バックちゃうか。 右SB適任者が、再レンタルも想定される成瀬しかいない。やっぱり3バック。 ただ、獲得したサイド選手(山中、小野、成瀬、山中)はみんなWB未知数。ほな3バックじゃ無いか。 3バック維持するとしても丸山、藤井、中谷の移籍で作り直しは必至。ほな3バックじゃなくてもよいか。 1枚目2枚目過多でDF枚数を減らしたい。ほな3バックじゃ無くてもよいか。 去年、後ろに重たかった。ほな3バックじゃない方がいいか。 福岡、日本代表など4と3を併用するクラブが出てきた。 新体制発表会、長谷川監督「3も4も様子を見ながらやっていきます。」4バックやるって言ってるやんけ! とミルクボーイ調もかなり崩れているが、4バックをやるっぽい。てか、やって欲しい。 どうも、 フォーメーションをシーズン・時間帯を通して使い分けると考えて間違いなさそうだ。 ちなみに4231に当てはめてみたのがこちら。我ながらまんざらでもない。理由は、 エルボーバック(SBの片側を上げ、逆側にCBのできるSBを置く)の4231をベース に妄想しているからだ。 左上がりエルボーバック もう少しエルボーバックを掘り下げよう。一例として、左SBを上げ気味にしたエルボーバック4231を示す。右SBに野上が入ることで、 試合中に3バックにも可変できる というわけだ。 この場合、久保と山中で幅を取り、左WGの森島を内側に絞らせることで、森島、山岸をSTとする3421的にも振舞える。森島がいい感じにライン間で仕事をしたり、下りてきたりが可能になる。この形は森島が活きる。ちょっと守備の怖い(失礼)、トージロー君を前目に残せて活きる。上下動の運動量に不安のある(失礼)、山中の負担も減り活きる。 昨シーズンは後ろに重たいことが課題 としてつきまとった。試合序盤など

私的サッカー用語集

正しい意味か分かりませんが、ブログ内で使っているサッカー用語の説明です。訂正あればお願いします。 偽サイドバック (追記2018/10/7) 攻撃のビルドアップ時にサイドバックが、ボランチの位置に入ること。サリーダ・ラボルピアーナのメカニズムでボランチがCBの間に入った時に、ボランチの位置でSBがボールを受ける。この時、SHやウイングがサイドライン際で幅を取りパスコースを作る。SBは、ボランチの位置からハーフスペースを駆け上がり(インナーラップ)、そのSHからリターンパスをもらう・・・などの攻撃につなげることが出来る。ネガティブトランジションでは、中央に絞っているためにカウンターを受けにくくなる。 サリーダ・ラボルピアーナ (追記2018/10/2) 4バックにおける攻撃のビルドアップおいて、CBの間にボランチが下がって、SBを前に押し上げるメカニズム。2トップの相手に対し2CB+1ボランチの3人で数的優位を保つことでビルドアップを安定させる。2017年は、小林がCBの間に下りる形が強直化しており、効果的ではない場合もあった。一方、2018年W杯中断後は、ネットが主にCB間に下りる役割をしているが、小林が下りる場合や、CBとSBの間に下りる場合や、下りない場合を織り交ぜてビルドアップすることで柔軟性が出ている。また、玉田と小林がそれぞれハーフスペースに入り、相手の第1プレッシャーラインを通過する受け手として機能している。そのため、ビルドアップ時のボールロストが減っている一因になっている。 パッキング・レート (追記18/09/29) パスやドリブルで相手選手を何人通過することが出来たかという指標。同じく、相手DFを何人通過したかという指標はIMPECTという。 footbllistaのコラム で紹介されていた。勝敗との相関係数の高い指標だそうだ。 サッカーが陣取りゲームである以上、もっとも本質を突いた指標だと思った。さらに言うと、敵陣に押し込んでポゼッションしても、相手選手を通過出来なければ、陣地を取ったことにならないことにも気づかされた。重要なのは、ボールの前に何人相手選手がいるかで、0人であればそれはゴールを意味する。”ポゼッション”や”縦に速い攻撃”や”ハイラインハイプレス”などのゲームモデルは手段であり

レビュー:名古屋vs川崎 ~主導権は必然に~

名古屋(A)2-1川崎(H)/等々力陸上球技場/2023.4.15 得点者(名):ユンカー、マテウス 得点者(川):宮代大聖 まずは、8節 川崎戦のダイジェストから。0秒でスタメン出ます 十うん年ぶりのアウェイ川崎勝利 とからしいですが、それよりも 前節の浦和戦 に続き、川崎相手に互角以上の戦いができるようになったことが嬉しくないですか?やっと優勝争い、ACL争いをリアリティ持って狙えるチームになったというか・・・ そして浦和戦に続き川崎戦も、主導権の行き来する好ゲームになりました。主導権としては・・・ 前半開始は名古屋、 33分のWG入れ替えから川崎、 後半開始は名古屋、 失点後は川崎、 その後交代につれ試合は硬直 ・・・みたいな感じに推移したと思ってます。その流れを中心にレビューします。 主導権を取れたスタメン配置 名古屋は浦和戦からかな、地味に守備陣形を変えていて、フォーメーションでいうと3421から3412にしています。つまり、従来は、ユンカーが頂点にいて、アンカーを消しながらCBの片方にプレスをするのが多かったんですが、 浦和戦では岩尾にユンカーを、川崎戦では橘田にマテウスを、というようにアンカー番を固定して、その両脇のシャドーが頑張って守備に動く形にしています。 つまり、浦和戦は岩尾に自由を与えたくない&ユンカーの守備を軽減させたいという意図がありました。しかし、川崎戦はというと、そのままユンカーが中央でアンカーを見るわけではありませんでした。これには攻守に意図があったと思います。川崎をリスペクトして対策を打ったんですね。なんか名古屋は勝手にライバル視しているというか、他チームより川崎戦で対策打ってる印象ありません? 守備の意図は、この アンカー周りの守備が大変なので、マテウスに頑張ってもらおう というものです。CF家長、IH小塚、IH脇坂、SB山根など多彩なメンバーが入れ替わり下りてくることで複数のビルドアップのルートが安定してあることが川崎の強みだと思います。そこを何とかしたい。だけど、これは ほとんど効果無かった 気がしてます。川崎に押し込まれるところまでは持っていかれてたので。 名古屋の守備は、基本的にゾーンながら人についていく要素が強いです。アンカーの橘田の移動範囲も広いため、その分大変です。だから、中央マテウス。人についていくという意

レビュー)横浜FM vs 名古屋~サイド起点とアンカー番~

名古屋(H)2-1横浜FM(A)/豊田スタジアム/2021.9.18 得点者(名):中谷進之介、シュヴィルツォク 得点者(FM):杉本健勇 やばい。どうしても健勇に得点を許してしまう・・・違う。どうしても勝ってしまうww 公式戦10戦負けなし記念!!宮原100試合おめでとう記念!! という訳でもないですが、気分のがよいので勢いで、久しぶりにブログ書きます。 まずは、両チームのスタメンから。 ⚽️スターティング11⚽️ 🏆 #J1 第29節 🆚 #横浜F・マリノス 🏟豊田スタジアム 🕖19:00 KICK OFF ▶️ https://t.co/NGR67KHprb Powered by #トヨタ車体 pic.twitter.com/HbcR6O95gB — 名古屋グランパス / Nagoya Grampus (@nge_official) September 18, 2021 長澤、前田、森下はターンオーバーじゃなく完全に序列が入れ替わってますね。調子が良い人使うの。いいと思うよ。 STARTING XI presented by @haysjapan   本日のスターティングメンバー発表! ▼GK 高丘 ▼DF 小池/岩田/實藤/ティーラトン ▼MF 扇原/喜田/マルコス ▼FW エウベル/レオ/前田 #fmarinos #Jリーグ #HAYS pic.twitter.com/HKAEsRmsPc — 横浜F・マリノス【公式】 (@prompt_fmarinos) September 18, 2021 CBが負傷で変わっており、突けるかと思いきや、クバはなかなかボールを収められず。なめてて、ごめんなさい。そして、ありがとう。 ランゲラックのファインプレー集はこちら↓。 アウェーとの違い 何度でも書きますが、公式戦10戦負けなし。最後に敗れた試合というと、アウェーのマリノス戦。勇敢に前からプレスに行って、0-2で敗れました。守備時は、前から嵌めに行く形で、SHだった齋藤と直輝を横浜FMの2CBに当て、3ボランチと柿谷でダイヤモンド型の中盤を形成して中央を封鎖し、サイドに誘導してから左は斎藤と長澤、右は直輝と稲垣で挟み込みたいという狙いが見えました。 いわゆる奇策なのですが、柿谷の疲労など考慮しつつ、名古屋の強みの場所で狩りたいという理に