スキップしてメイン コンテンツに移動

レビュー)G大阪 vs 名古屋~ニアゾーン攻略と来年への布石~

名古屋(A)3-1G大阪(A)/吹田スタジアム/2021.11.20
得点者(名):シュヴィルツォクx2、柿谷曜一朗
得点者(G):パトリック

いやー、蓄積疲労がないとこんなに強いのか我が軍は!年間17節なら優勝するんじゃないか!と思ったのは私だけではないはず!

まずは、36節 G大阪戦のダイジェストから。0秒でスタメン出ます


代表ウィークの中断を開けた今節。両チームとも準備してきたものを出したゲームになったと思います。特に攻撃面で。方法論は違えど、どのようにニアゾーンに侵入するのかという視点で両チームを見ていきます。

前半で3-0になったので、今回のブログでは前半だけを振り返ります。後半、別にいいっしょ。

前半3-0とはいえ、G大阪も攻撃は良かったと思います。特に引いた名古屋を崩す攻撃について、再現性のある形を見せていたと思います。最近の試合を見ていないので、今節の変化なのかはわかりません。しかし、J1残留を決め、来年に向けた積み上げを狙った部分も感じたので、そのあたりを取り上げます。

一方の名古屋としては、まずリフレッシュ。この効果は絶大に感じました。しかし、それだけではない、中断期間に強化したであろう攻撃での連携面を中心に取り上げたいと思います。相手を引っ張り出す部分とか、ラストパスへの入り方とか。

まずは、ガンバから。


ニアゾーンへはSBのダイアゴナルランで。

ガンバは、引きこもった名古屋を崩す準備をしてきたと思います。ガンバがオフェンシブサードに入ると、スタート位置の4-4-2から、極端に言うと2-2-6に。ビルドアップはCBとCHの4人を中心にして、SBが高い位置で幅を取り、SHは内側に絞ります。右で使うことの多い小野瀬を左に持ってきた意図もこの辺にありそうです。

そこから、宇佐美、小野瀬、倉田が降りて、この3人と山本の誰かが前を向いてボールを持った時に、SBがニアゾーンにダイアゴナルランをする形を狙っていたと思います。
このシーンは開始5分のシーンですが、引いて受けた宇佐美のワンタッチ浮き球パスに絶妙のタイミングで高尾が吉田の裏に走り込みます。しかし、クロスは、パトリックには合いませんでした。危ない。

この数秒前のプレーで倉田が背後を狙うフリーランニングを繰り返していたこともあり、吉田の意識が強く倉田に向けられていたため、高尾は完全にフリーになっていました。危ない危ない。

名古屋の守備の決まり事としては、SHの相馬が高尾について行くべきなんでしょうが、かなり早いタイミングの走り込みで置いていかれました。オートマチックには勝てん、相馬は悪くない。危ない危ない危ない。

高尾も藤春も2回以上この形がありました。パトリックとSH2人がゴール前になだれ込めますし、そのうち点取られるなーと思っていました。

名古屋相手という意味ではSHを押し下げられる点が良いと思います。一方、カウンターケアに対して、後ろ4人のうち井手口ぐらいしかスピード勝負で勝てなそうなので、片手落ち感がありますけどね。というか、休養たっぷりの戦術相馬・戦術前田が秀でていたってことでしょね!!

この攻撃をするためにセットで必要な前線の守備の強度が低いために、名古屋の準備してきたものの方が勝ったというのが、試合全体の感想です。なので、続いて名古屋の準備してきたものに移ります。


3得点の共通点

3得点の共通点と言えばビューティフルゴール。「名古屋は、これが出来れば今期もっと点とれたはずです。」と言ったのは・・・私です。

他にも共通点をゴールから巻き戻して列挙すると、シュートセンス、マイナスクロス、SHのニアゾーンへの侵入、SB裏へのボール、守備陣をつり出す、と言った共通点がありました。これって普通の事かも知れませんけど、中断期間中に磨き上げてきたものなんじゃないかと思ってます。

1、3点目は木本を起点とした疑似カウンター、2点目は稲垣のインターセプトからの真正カウンターでした。3点とも守備陣、特にSBをつり出した状態で攻撃が始まったのがGOODでした。

1、2点目は柿谷が、3点目は吉田が密集からボールを逃がし、縦に加速しました。安易に後ろに下げず、守備体形が整う前に攻め切ったのがGOODでした。

3点ともSHが独走し、ニアゾーン深くに侵入したのがGOODでした。

3点とも、ゴール前には逆SHが走り込み、マイナスクロスにFWが合わせました。クロスに入る役割分担がGOODでした。

そして3点ともシュートがお上手。

名古屋の得点シーンの再現性の高い事、高い事w即興ではなく、準備してきたものが実った感じがあります。


調子に乗ってさらに3得点を振り返る

今年のリーグ戦で、3得点は8試合ぶり5試合目というハレの日なので、調子に乗ってさらに掘り下げます。ちなみに、今回以外はすべて3-0なので、このゲームの”来年への準備”・”意識の変化”・”色気”・”ゆるみ”も感じますがw

1点目は、ミンテへのバックパスに対し、ガンバがプレスをかけていくところから始まります(下図)。ミンテから木本、吉田、相馬、柿谷、相馬とつながり、相馬がドリブルで駆け上がった後のマイナスクロスに、クバが合わせてゴールを決めます。
Tacticalistaにより作成
TACTICAListaにより作成

CH木本にSH倉田、SB吉田にSB高尾、SH相馬にCB三浦とズレを作って、先手先手を取っていった圧巻ゴールでした。ポジショナルプレーの監督か否か、モダンか否かって話がよく出ますけど、位置的優位を質的優位につなげたって意味では、立派にポジショナル。

2点目は、ガンバのHSでの縦パスを前田と稲垣が挟んでカットし、柿谷が前田に縦パス、その時点で、前田を追うのはCHの井手口でした。SB藤春がHSへの縦パスの時点でオートマチックに前に動き出していたので、追いつけない形になりました。

3点目は、最も理詰めでした。
TACTICAListaにより作成
吉田が外、相馬が内で横に並び、左HSで木本が持ち上がります。倉田は、背後で相馬を消しつつ、木本にプレスするしかありません。
木本は、倉田を引き付けるためドリブルでゆっくり上がりながら、吉田にパス。吉田と相馬をケアするため中間に立っていた高尾は、吉田にプレスするしかありません。
そして、吉田はワンタッチで高尾の裏にパス。しっかり、相馬がニアゾーン深く侵入して、DFの目線を釘付けにするので、ガンバDF陣は第一にゴール前を埋めぜる負えません。クバはバックステップを踏んで、ボールを引き込むスペースを空けてかまえ、相馬のマイナスクロスを右足で逆サイドネットに流し込んでゴールになりました。位置的優位でズレをつくり、それをゴール前まで連鎖させる、立派にポジショナル。

さらに言うと、木本が吉田とミンテの間に降りて、組み立てることも準備してきたものでしょう。ビルドアップ隊で回していると、最初はパトリックと宇佐美が追うのですが、少し離れるとSHの倉田が出てくるということをスカウティング済みだったのではないかと思います。1点目もそんな形だったんでね。

準備期間があれば、今シーズンもっとこういう試合ができたのかも?と思わせるガンバ戦でした。


フィッカの変化はアハ体験

もう残り2試合なので、ぼちぼちシーズン総括も突っ込んでいこうかと。

一番の論点は、来年の攻撃の上澄みはあるのか?ですよね。今年は、試合中の可変システムにトライしたり、木本・長澤・学・森下などの新戦力をラージグループに組み込んだりといった積み上げがありました。そうフィッカの変化はアハ体験のよう…

中継でもゼロトップだという話が出ていましたが、私もゼロトップだったと思います。クバはターゲットマンじゃない。降りてきて足元で受けて、サイドに大きく散らせて、ゴール前では左45度から右サイドネットにゴールを流し込む。この型が最も輝く。クバの活かし方が試合を追うごとに定着してきました。

名古屋が柿谷に求める攻撃での最重要タスクは、安易に戻さず、密集から前にボールを供給する役割だと思います。(プレスバック、2度追い含め)このキャラ変をシーズン前、誰が予想したでしょうか?しかし、知らぬ間に欠かせぬ存在です。

左サイドの木本がボールを持って吉田・相馬2択を迫るコンビネーションも基本的な型として、成熟していけそうです。今更。

これから、相馬と前田がえぐったら基本的にマイナスクロスをケアされると思うのでゴール前に、逆SHが飛び込めるか否かが重要になりそうです。そうすると、その前の組み立ての時点で一度サイドチェンジを入れるなどして、周りのサポート時間を稼ぐことも重要になりそうです。この試合では、クバが引いて散らし、前田・相馬が低い位置で内側にドリブルしてサイドチェンジすることで、かなり改善が見られました。

もちろん、ガンバ相手だったから、前から奪いに来るタイプの守備だったから嵌った部分もあります。

しかし、こういう選手の特性の理解、前への加速の仕方、ニアゾーンへの入り方、クロスへの入り方、フリーな選手への渡し方、といったディテールの積み上げが来年の上澄みになるはずです。カウンター=即興ってわけじゃないですよね。

ラージグループを作ってオプションを増やしていくアハ体験でもいいじゃない。固定化したり、大きく方向転換したりするのだけは避けて欲しいですね。


さいごに

神戸も勝利したので、残り2節で勝ち点差5と、ACL枠が苦しい状況に変わりはありません。しかし、最後まで望みが繋がってること自体が、リーグの楽しみを増大させてくれているので、ありがたい限りです。柿谷がJ通算50点取ってから、51点目もすぐだったので、ケチャドバ期に入ってくれると期待しましょう。

そして、FMと鳥栖にも期待しましょう。どうも、今年の日程くんは、コンディションピーク時に名古屋とマッチアップさせてくるな。川崎といい、FMといい、鳥栖といい。ブツブツ・・・

それにしても、フィッカちゃんは元気だとやっぱり交代枠使い切らないんだな。来年も思いやられるぜ!



トップページのブックマークをお願いします。
更新情報をツイートします

↓クリックすると
↓みなさんのグランパスブログが見れます
にほんブログ村 サッカーブログ 名古屋グランパスへ
にほんブログ村

 

コメント

このブログの人気の投稿

2024名古屋グランパス 編成の妄想

2024.1.14新体制始動ということで、今年のスカッドについて好きなように妄想を書けるのは今だけなので、久しぶりにブログを更新したいと思います。 今年の編成の感想 今年のスカッドを見て、違和感を感じた。その違和感の正体は、3か4か分からないこと。 以下にミルクボーイ調で4バックなのか3バックなのか考えてみた。 監督が昨年やり方を踏襲すると言っている。3バックで決まり。 フィジカルに長けた上下動できて守備も信頼できる名古屋風WB(相馬、森下、豊)が1人もいない。なら3バックちゃうか。 右SB適任者が、再レンタルも想定される成瀬しかいない。やっぱり3バック。 ただ、獲得したサイド選手(山中、小野、成瀬、山中)はみんなWB未知数。ほな3バックじゃ無いか。 3バック維持するとしても丸山、藤井、中谷の移籍で作り直しは必至。ほな3バックじゃなくてもよいか。 1枚目2枚目過多でDF枚数を減らしたい。ほな3バックじゃ無くてもよいか。 去年、後ろに重たかった。ほな3バックじゃない方がいいか。 福岡、日本代表など4と3を併用するクラブが出てきた。 新体制発表会、長谷川監督「3も4も様子を見ながらやっていきます。」4バックやるって言ってるやんけ! とミルクボーイ調もかなり崩れているが、4バックをやるっぽい。てか、やって欲しい。 どうも、 フォーメーションをシーズン・時間帯を通して使い分けると考えて間違いなさそうだ。 ちなみに4231に当てはめてみたのがこちら。我ながらまんざらでもない。理由は、 エルボーバック(SBの片側を上げ、逆側にCBのできるSBを置く)の4231をベース に妄想しているからだ。 左上がりエルボーバック もう少しエルボーバックを掘り下げよう。一例として、左SBを上げ気味にしたエルボーバック4231を示す。右SBに野上が入ることで、 試合中に3バックにも可変できる というわけだ。 この場合、久保と山中で幅を取り、左WGの森島を内側に絞らせることで、森島、山岸をSTとする3421的にも振舞える。森島がいい感じにライン間で仕事をしたり、下りてきたりが可能になる。この形は森島が活きる。ちょっと守備の怖い(失礼)、トージロー君を前目に残せて活きる。上下動の運動量に不安のある(失礼)、山中の負担も減り活きる。 昨シーズンは後ろに重たいことが課題 としてつきまとった。試合序盤など...

レビュー)川崎 vs 名古屋~勝った以外は生き地獄~

名古屋(H)1-0川崎(A)/豊田スタジアム/2020.8.23 得点者(名):金崎夢生 これ以上ない美しいゴール、イタリア流ウノゼロの美学で勝利した川崎戦。 一言で言えば、「最後はやらせなかった」守備の勝利でした。この試合のMOMを挙げるなら、私は吉田豊にします。シュートブロックや、クロスへの寄せや、ゴール前になだれ込む選手へのタイトなマーク。その一つ一つが重なってこの試合の勝利を勝ち取ることができました。 一方、ゴールシーン以外の多くの時間で見た”生き地獄”・・・歯を食いしばり、視界が狭くなっていくのを感じ、胃の痛くなるような90分。 「あなたは前半と後半のどちらの地獄が嫌ですか?」「私は断然、前半が嫌です。」なぜなら、”前半は構造的に崩された”のに対し、”後半はそれを修正して割り切って引いた”と見たからです。 やられた話だけでも何なので、皆さんの語り草となっているゴールシーンについても、気持ち要素多めで書いていこうと思います。 ということで、今回の流れはこんな感じです。 基本情報 生き地獄の前半と割り切った後半 人は何故あのゴールシーンに魅了されるのか? 基本情報 グランパスのスタメンはこちら。強い順にカードを切っていくスタイルの4-2-3-1。ターンオーバー無し。サブに守備陣多めなので、「先制して守り切る」強い意志を感じます。 明治安田生命 #J1 第12節「vs #川崎フロンターレ 」(@豊田スタジアム 18:00 KICK OFF ) #grampus スターティング11⚽️ #おうちでDAZN観戦 ご準備は▶️ https://t.co/rIOJ5UBNhV それぞれの #MyHomeStadium で、 #AllforNAGOYA で、共に🤜🤛 #grampus — 名古屋グランパス / Nagoya Grampus (@nge_official) August 23, 2020 フロンターレのスタメンはこちら。1週間前の札幌戦からWGだけ変えただけです。ミッドウィークのC大阪戦からターンオーバーしています。名古屋戦の特別仕様なのは、WGの三笘と家長だけということかな?確かに2人とも嫌だな。 8/23(日) 明治安田生命J1リーグ 第12節 川崎フロンターレ...

プレビュー 19節 仙台戦

まずは、次節対戦する仙台の前節(vsセレッソ)のダイジェストから。 〈見どころ〉 両チームとも前節のスタメンを前提としています。 仙台は、クロスやセットプレーからの得点が多い。名古屋のディフェンス陣はしっかり跳ね返せるか?蜂須賀選手に簡単にクロスを上げさせないように、櫛引選手に期待です。また、両CBが8得点の西村選手を好きにさせないことも重要。 新加入選手はフィットしてくる?前節、名古屋は丸山・中谷・ネット・前田直、仙台は矢島が新加入選手として出場。 名古屋も仙台もボール支配率の高いチームである。しかし、前節仙台は、通常ボール支配率の低いセレッソに対して、ポゼッションで下回った。ダイジェストを見る限り、効果的な攻撃もカウンターからである。中断期間中にゲームモデルを変えてきた? 仙台はショートパスからの失点が多い。名古屋は長所を生かせるか? 名古屋はショートパス主体だろうから、相手の思惑にハマらないように、立ち上がり10分ぐらいだけジョーにロングボール当てるような展開にして、セットプレーで1点取って、そのあとゆっくり自陣ポゼッション、食いついたところをショートカウンターで2点目・・・みたいな展開を期待します(祈)。 Jリーグを見るためにDAZN for docomo(980円/月)に加入されている方。300円追加するだけで、dTVが見れますよ。 DAZN for docomo(980円/月) dTV(500円/月) DAZN for docomo+dTV(1280円/月) ↓応援お願いします にほんブログ村

プレビュー)神戸 vs 名古屋~名古屋と似ている神戸、似て非なる川崎~

まずは、次節対戦する神戸の前節(vs川崎)のダイジェストから。 神戸はリーグ戦7試合勝ち星がなく、前節の川崎戦でも3-1でリードしていたものの3-5で逆転負けしました。3点取ったといっても、オウンゴールとスーパーミドル2発なので、崩して切ってのゴールではありませんでした。名古屋同様、川崎相手に力負けした神戸と次節では対戦します。 戦術家リージョの取った川崎戦での守備の調整 神戸は守備時に4-3-3の形で、川崎のDFラインに3枚を当てて、ビルドアップを阻止することを狙いとしていました。3-3は中央に絞っていましたが、川崎に面白いようにプレスラインを突破されていました。川崎は4-4-2だったので、右の家長、エウシーニョ、左の斎藤学、登里にサイドを使われ、3-3でビルドアップを停滞させることはできませんでした。 前半途中から4-4-2にして、4-4のライン間をコンパクトにすると共にサイドをケアする修正をリージョ監督はしてきました。しかし、最初SHにウェリントンを入れるのですが上手くいかず、入れ替えて古橋をSHに下げました。古橋は今の神戸の中で最も得点の臭いのする選手なので、川崎にとっては逆にありがたかったのではないかと思います。 後半逆転されてからは、4-3-3にもどして、また前から奪おうとしました。前半と違うのは、前線の3枚の真ん中がイニエスタという点です。イニエスタに前線の守備の追い込みを指揮させる意図でしょう。しかし、3枚の残り2枚がウェリントンとポドルスキなので、前線からのプレスは全く機能せず、川崎に崩されていました。 名古屋と似ている神戸、似て非なる川崎 名古屋、神戸、川崎は共にポゼッションを高め得点を奪い、相手の攻撃回数を減らすことを狙いとするチームです。しかし、神戸と名古屋はポゼッションを高めるために必須となる、 ネガトラ 時の即時ボール奪回が出来る選手構成になっていません。(なぜ必須かというと、ポゼッションのために密集している部分を抜けられると広大なスペースがあり、相手にとってチャンスになるからです。) そのため、名古屋は、ジョーやネットや玉田に試合を通してハイプレスを求めるのが難しいため、ある程度リトリートする時間と前からプレスをかける時間を分けていると思います。一方、神戸は、リージョ監督は前線からの...