スキップしてメイン コンテンツに移動

レビュー)名古屋 vs 清水~後半は別物~

 名古屋(A)2-1清水(H)/IAIスタジアム/2022.5.21

得点者(名):仙頭啓矢、相馬勇紀
得点者(清):チアゴサンタナ

祝!リーグ戦2連勝、祝!!公式戦3連勝、祝!!!リーグ戦FW初得点(酒井)、祝!!!!相馬今季初ゴール、と良いとこ尽くめでしたね。

当ブログとしては、直近のアップ時に名前を挙げて心配(苦言じゃないよw)を口にした酒井と相馬が2人ともゴールを決めるという偶然に見舞われました。これは、スピリチュアル御利益が当ブログにあるのではないかと、中の人も期待が高まっているわけです。

一方の試合内容に目を向けてみると、前半は今季1.2を争う好ゲームだったのに対し、後半はかなりサンドバック状態…

というわけで、波に乗っていきたいグランパスの課題である、後半のゲームの運び方を中心に綴っていきたいと思います。

ダイジェストはこちら。0秒でスタメン出ます↓サムネかわE


前半はいいんだよ

この試合含めリーグ戦では5試合、公式戦では7試合の先制が示しているように、前半のグラは強い。この試合も前回ブログで書いたように、仙頭がいい感じにしてくれる作戦でいい感じに。ウェット決め決めスタイリングでも、サラサラスタイリングでも仙頭は仙頭でした。

”仙頭いい感じ作戦”を簡単におさらいしておきます。守備時に352から仙頭が上がり3421化して、前線の守備強度を高め、それに伴い仙頭はSB-CH-CB三角形の広い範囲の守備を賢くカバーしていい感じに。攻撃時は、仙頭がHV-WB間に下りたりしてボールを引き出し、長短のパスでゲームをいい感じにしてくれます。そして仕事人はオーバーペースで60分ごろには交代します。

ここ数試合続けているこのゲームプランの大枠は清水戦でも一緒でした。

もちろん清水用のディテール調整はありました。例えば12分のシーン。仙頭がボールを受けに動く位置はサイド。本来、吉田がいる位置に動き、吉田を前に押し出していました。この動きにより、SB片山は吉田にピン止めされ、仙頭にはSHのカルリーニョスが対応することになりますが、比較的、仙頭がフリーでさばけるようになり、安定したビルドアップに貢献していました。

前半22分、マテウスの股抜きからクロス、それを酒井がニアですらしてゴールします。このゴールシーンでも、仙頭がサイドに張り出してました。前半序盤にこの形で、清水の守備を惑わせることが多かったです。

よって、前半にチーム全体で清水の守備の混乱を作たからこそ、生まれたゴールシーンであったと私は見ました。

今後に向けた前半守備面での懸念はと言うと、仙頭の過負荷状態を突こうと清水が対策してきたところです。CB立田ーSB片山が清水ビルドアップ時に後ろに下がることで、仙頭の移動距離を長くして困らせてきました。戦術仙頭の賞味期限もあと少しかも…。

この弊害が顕在化したシーンとしては、ボールホルダーの立田に仙頭がアタックし、それに連動して、片山近くに吉田豊が、カルリーニョスに丸山が寄るのですが、少しづつ対応が遅く、いっきにカルリーニョスがダイアゴナルランで裏を突き、丸山の背後を取られる場面が前半17分と33分にありました。

続いて、その他の名古屋の攻撃の良い点を3点ほど。

名古屋右サイドの攻撃のGOODポイントはというと、走力を活かし稲垣がニアゾーン深くまで侵入して、マイナスクロスを上げるシーンが増えてきたところだと思います。右サイドも連携が高まってきていて、今日のスカッドがしばらくのベースになりそうですね。

また、前回のブログでも触れましたが、CB3人+レオシルバのビルドアップはJ1でも屈指の安定感になってきたのではないでしょうか。CB3人で横幅いっぱいに広がってもブレないパス精度と少しプレッシャーをかけられても動じないボールスキル。守備面での高さ、強さ、スピード、読み、球際なども申し分ないので、まぎれもない名古屋のストロングポイントですね。

前半36分ごろあたりか、スローインとコーナーキックのリスタート祭りになった時には、「早くも塩漬け試合にするのかw」と試合の進め方の老獪さに目じりを下げる前半でした。



後半受けに回るのをなんとか…

今後、チームが上位に食い込むには、後半の失速を何とかしたいですよね。基本的には”守備の強度が落ちて、ミドルゾーンでボールを回収できなくなり、押し込まれた後にボールを回収するも、クリアが苦し紛れなので味方につながらず、守備ターンが続く”という、昔からの課題です。

このところ先制しているため、受けに回りがちなゲーム展開になりやすいことを加味しても、もう少し何とかしたいところです。過密日程、選手層、ゲームプランなども後半受けに回らざるをえない原因となっていると思います。

また、前節セレッソと同様に清水もゲームメイカータイプのCHを後半開始と同時に投入しました。アンカー位置を使われだしてから劣勢に陥ることも、2試合連続です。

清水は後半からCHホナウドがアウトで、白崎をCHに下げ、西澤をSHに入れてきました。西澤がHS低めの位置に下りることで、そこからアンカー位置に入った白崎に戻すことで、アンカー経由の清水のボールの循環が良くなりました。前半は、酒井とマテウスの受け渡しでアンカー位置をほとんど使わていなかったのとは対照的です。

また、西澤がHS低めに下りることで、稲垣をつり出しボランチ位置を使いやすくするとともに、SB山原を前に出すことでクロス攻撃も多くなりました。

アンカー位置の守備強化、ボランチの運動量の維持、ボール回収後のボールの逃がし所、などの課題は当然長谷川監督もわかっていて、交代で対応していきます。

CFに石田を入れたのは攻撃面もさることながら、守備面ではアンカー位置のケアを重要視していたと思います。レオシルバの交代で宮原を入れることも実装してきました。ゲームコントロールに長け、ボールの逃がし所になる、柿谷、阿部の投入も定番化しています。

これらの交代選手の中でも宮原は希望の星ですね。運動量・奪取能力・ショートパスでのリンクマンとしての働きにはかなり期待できます。その一方、ロングパスでゲームを作るタイプではないので、丸山・藤井・阿部あたりが良い角度・距離でサポートしてボール回収後の密集から逃す必要がありそうです。プレー時間が増えるといいですね。

水曜の試合が続くので、ローテーションしながら疲れを抑えることも重要ですね。WBは3人で回せそうですし、チアゴ、柿谷辺りの準レギュラーは水曜ローテに加えて欲しいですね。

吉田豊は水曜日の疲れもあったのか、裏を突かれ、寄せきれずクロスを上げさせる場面が多かったです。攻撃面では、仙頭との関係で内に入ったり、器用な一面を見せているので、疲れのケアをお願いしたいですね。”苦言を呈すると活躍する”という当ブログのジンクスができるといいな。

さいごに

4位の広島まで勝ち点4差の12位です。(2022/5/21時点)なんつーか、川崎、鹿島、横浜FMに3強感出されてるので、そこに食い込みたい。確かに、上位3チーム以外となら五分の試合ができそうな感じまで持ち直してきました。常に変化しながら、さらに高みを目指していきましょー!(どうか瀬古樹を…、もしくは仙頭クローンを、5年前のレオシルバでもいい、)



トップページのブックマークをお願いします。
 更新情報をツイートします

 ↓クリックすると
 ↓みなさんのグランパスブログが見れます
にほんブログ村 サッカーブログ 名古屋グランパスへ
にほんブログ村 

コメント

このブログの人気の投稿

2024名古屋グランパス 編成の妄想

2024.1.14新体制始動ということで、今年のスカッドについて好きなように妄想を書けるのは今だけなので、久しぶりにブログを更新したいと思います。 今年の編成の感想 今年のスカッドを見て、違和感を感じた。その違和感の正体は、3か4か分からないこと。 以下にミルクボーイ調で4バックなのか3バックなのか考えてみた。 監督が昨年やり方を踏襲すると言っている。3バックで決まり。 フィジカルに長けた上下動できて守備も信頼できる名古屋風WB(相馬、森下、豊)が1人もいない。なら3バックちゃうか。 右SB適任者が、再レンタルも想定される成瀬しかいない。やっぱり3バック。 ただ、獲得したサイド選手(山中、小野、成瀬、山中)はみんなWB未知数。ほな3バックじゃ無いか。 3バック維持するとしても丸山、藤井、中谷の移籍で作り直しは必至。ほな3バックじゃなくてもよいか。 1枚目2枚目過多でDF枚数を減らしたい。ほな3バックじゃ無くてもよいか。 去年、後ろに重たかった。ほな3バックじゃない方がいいか。 福岡、日本代表など4と3を併用するクラブが出てきた。 新体制発表会、長谷川監督「3も4も様子を見ながらやっていきます。」4バックやるって言ってるやんけ! とミルクボーイ調もかなり崩れているが、4バックをやるっぽい。てか、やって欲しい。 どうも、 フォーメーションをシーズン・時間帯を通して使い分けると考えて間違いなさそうだ。 ちなみに4231に当てはめてみたのがこちら。我ながらまんざらでもない。理由は、 エルボーバック(SBの片側を上げ、逆側にCBのできるSBを置く)の4231をベース に妄想しているからだ。 左上がりエルボーバック もう少しエルボーバックを掘り下げよう。一例として、左SBを上げ気味にしたエルボーバック4231を示す。右SBに野上が入ることで、 試合中に3バックにも可変できる というわけだ。 この場合、久保と山中で幅を取り、左WGの森島を内側に絞らせることで、森島、山岸をSTとする3421的にも振舞える。森島がいい感じにライン間で仕事をしたり、下りてきたりが可能になる。この形は森島が活きる。ちょっと守備の怖い(失礼)、トージロー君を前目に残せて活きる。上下動の運動量に不安のある(失礼)、山中の負担も減り活きる。 昨シーズンは後ろに重たいことが課題 としてつきまとった。試合序盤など...

レビュー)柏 vs 名古屋~プラン通り想定外、負けたけど強い名古屋~

名古屋(H)0-1 柏(A)/豊田スタジアム/2020.8.1 得点者(柏):オルンガ 「プラン通り想定外、負けたけど強い名古屋。」 そんな印象を受ける試合になりました。 プランとは、もちろんオルンガ対策です。想定外とは名古屋のボール保持においてスイッチを入れる選手が少なかったことです。負けたけど強いと思ったのは、今年の名古屋の戦い方を、以下のように再確認できたためです。 その名古屋の戦い方とは、『5局面(保持、非保持、ポジトラ、ネガトラ、セットプレー)を高次元で両立させていて、それに伴い対戦相手に合わせて相手の得意局面を減らす戦略でゲームを進めても、残る局面の差で勝てる』いうものです。そう、名古屋が目指しているサッカーは、全局面コンプリートなのです! ということで、オルンガ対策のプラン、および、名古屋の強さについてレビューしていきたいと思います。 基本情報 柏は4-2-3-1。ビルドアップ時の陣形は名古屋と同じようなCB-CH4枚のボックス形で、SBが名古屋より低い。江坂やボランチ1枚が降りてくる場合も。守備時は、4-4-2。 明治安田生命J1リーグ 第8節 名古屋 vs 柏 スタメン GK 中村航輔 DF 古賀太陽、山下達也、大南拓磨、三丸拡 MF ヒシャルジソン、大谷秀和、仲間隼斗 FW 瀬川祐輔、オルンガ、江坂任 サブ GK キムスンギュ DF 高橋峻希、川口尚紀 MF 戸嶋祥郎、三原雅俊 FW 山崎亮平、呉屋大翔 pic.twitter.com/b4cASmwLqp — 柏レイソル公式試合速報 (@reysol_sokuho) August 1, 2020 名古屋もいつもの4-2-3-1。米本拓司、阿部浩之、シャビエルの代わりに、太田宏介、青木亮太、石田凌太郎が入った。(負傷者と疲労の蓄積が心配だー('Д'))余談だが、山崎凌吾と石田凌太郎で凌2トップという日が来るかもしれん。祝!怪我から復帰の太田、青木! 明治安田生命 #J1 第8節「vs #柏レイソル 」(@豊田スタジアム 18:00 KICK OFF ) #grampus スターティング11⚽️ @DAZN_JPN ▶️ https://t.co/cVsObR4KWL クラブ毎に数値化される視...

レビュー)川崎 vs 名古屋~勝った以外は生き地獄~

名古屋(H)1-0川崎(A)/豊田スタジアム/2020.8.23 得点者(名):金崎夢生 これ以上ない美しいゴール、イタリア流ウノゼロの美学で勝利した川崎戦。 一言で言えば、「最後はやらせなかった」守備の勝利でした。この試合のMOMを挙げるなら、私は吉田豊にします。シュートブロックや、クロスへの寄せや、ゴール前になだれ込む選手へのタイトなマーク。その一つ一つが重なってこの試合の勝利を勝ち取ることができました。 一方、ゴールシーン以外の多くの時間で見た”生き地獄”・・・歯を食いしばり、視界が狭くなっていくのを感じ、胃の痛くなるような90分。 「あなたは前半と後半のどちらの地獄が嫌ですか?」「私は断然、前半が嫌です。」なぜなら、”前半は構造的に崩された”のに対し、”後半はそれを修正して割り切って引いた”と見たからです。 やられた話だけでも何なので、皆さんの語り草となっているゴールシーンについても、気持ち要素多めで書いていこうと思います。 ということで、今回の流れはこんな感じです。 基本情報 生き地獄の前半と割り切った後半 人は何故あのゴールシーンに魅了されるのか? 基本情報 グランパスのスタメンはこちら。強い順にカードを切っていくスタイルの4-2-3-1。ターンオーバー無し。サブに守備陣多めなので、「先制して守り切る」強い意志を感じます。 明治安田生命 #J1 第12節「vs #川崎フロンターレ 」(@豊田スタジアム 18:00 KICK OFF ) #grampus スターティング11⚽️ #おうちでDAZN観戦 ご準備は▶️ https://t.co/rIOJ5UBNhV それぞれの #MyHomeStadium で、 #AllforNAGOYA で、共に🤜🤛 #grampus — 名古屋グランパス / Nagoya Grampus (@nge_official) August 23, 2020 フロンターレのスタメンはこちら。1週間前の札幌戦からWGだけ変えただけです。ミッドウィークのC大阪戦からターンオーバーしています。名古屋戦の特別仕様なのは、WGの三笘と家長だけということかな?確かに2人とも嫌だな。 8/23(日) 明治安田生命J1リーグ 第12節 川崎フロンターレ...

どうでもいいお知らせ

iPhoneに起きた謎の現象 自分のPCやタブレットでは、当ブログ内の色々なリンクに飛ぶことができるのに、自分のiPhoneではリンクに飛ぶことができないという現象が、1週間前ぐらいから起きていました。 調べてみると、safariのJavaを切ると治ることが分かりました。 自分のブログを振り返りJavaを沢山使っているものといえば・・・Googleアドセンス・・・ 広告なし始めました 自動広告でお任せにしていたので、自分が閲覧するのにもイライラしていました。また、約2年100エントリーほど書いたのに8000円程度(涙)の収益ににしかなっていませんでした。以上のことを鑑みて、広告表示をOFFにしました。 ご覧になっていた皆様は、ブログの醜さを助長するような煩わしさを広告に感じておられたと思います。謹んでお詫びします。 ブログのPVが100倍ぐらいになるまで精進できたら、その時に広告掲載を再度考えたいと思いますww これからもよろしくお願いします。