名古屋(H)1-0C大阪(A)/豊田スタジアム/2022.5.14
得点者(名):仙頭啓矢
得点者(名):仙頭啓矢
やっと勝ちましたね!3分3敗後の7試合ぶりの勝利!
ここ4試合は先制しているので、これだけ勝てないのは呪われているとしか言いようがない。「大津の2分で2点」の呪い、「ウタカの普通は入らないヘディングシュート」の呪い、「あんなのでVAR介入してたらゴール入らないよ」の呪い、きっと今日勝利できたのは、あなたのお祓いや滝行のおかげだと思います。その前も、鹿島、FC東京の上位に引き分けなので、ずっと調子はそんなに悪くないんですよね。
やっぱり、「ゲームマネジメントが石橋のマッシモと比べるとなー」、みたいなところも気になると思います。その意味では、この試合はマネジメントがハマった試合になったので、そんなこんなをレビューします。
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仙頭過負荷の可変守備
名古屋はアタッキングサードとディフェンシブサードでは352ベースの陣形で守備をして、ミドルサードでは仙頭が少し前に出て3421気味に守備をする形でした。前節のマリノス戦と同様ですね。ミドルサードのボールを狩りたいところだけ、仙頭を前に出し左右非対称の守備で敵ビルドアップ隊に前線3人でプレスする意図ですね。
ミドルサードでの3421化により守備のマッチアップが、右SB松田は左IH仙頭、左SB山中は右WB森下、右SH毎熊は左WB相馬、左SHパトリッキは右HV中谷と固定されることで、出足の早い守備が期待できます。
中谷がアウトサイドまで迎撃しても、中央には高さのある藤井と丸山が残ること、稲垣を脇に置いておくことで中央のレオシルバおじさんがあまり動かなくて良いこと、ディフェンスラインまで降りた際に相馬の方が森下よりも守備に長けること、今攻撃で一番輝いている森下を前に残せることなど、合理的な配置に見えました。
この役割だと相馬よりもマリノス戦同様に吉田の方がよいと思われますが、勝てば自力予選通過がかかるルヴァンが水曜日にありますので、そちらで吉田を先発させる意図もあるのではないかと推測します。
このミドルサード3421化で一番負荷がかかるのは、仙頭です。だから、2試合連続で仙頭が最初の交代になってるんですね。そこらへんはセレッソもわかっていて、SB松田を仙頭の裏まで上げ、CBヨニッチから松田にパスが渡り、3トップのレイヤーを軽々と越えられることが前半序盤に3回ほどありました。アタタ
仙頭も疲れてくるので前半途中からの修正として、相馬の位置を上げ、右サイドもSBに稲垣、SHに森下がつくように左右のバランスを均等にして仙頭の負荷を下げつつ、相馬の攻撃参加も促すように変えていました。
セレッソは後半から清武のポジションをトップ下から左CHに変えます。前半にアンカー位置でボールがもらえなかった鈴木徳真に代えて、同じく前半にボールに絡むことの少なかった清武を左CHに下げました。SB-CB間に降りながらボールを受け、前半は、つり出されることの少なかった左IHの稲垣を前に引っ張り出しつつ、後半に入ったタガートへの楔パスなどで、中央にボールを指していくことで、後半開始は主導権をセレッソに奪われます。
後半15分に石田凌太郎を過負荷の仙頭に代えて投入します。これで明確にセレッソのビルドアップに3枚当てて、清武の降りるスペースを減らしていきました。
お役御免となった仙頭は、試合序盤は3バックのラインまで降りてビルドアップを安定させ、カウンターのゴールシーンではゴール前に走り込み、守備では松田ヨニッチ奥埜間の広範囲をカバーし、(レオシルバにおじさんに楽をさせるため)、仙頭のサッカーIQをフルに活用した大活躍でした。
仙頭を残したいけど、交代までの60分でスプリント22回(DAZNより)と飛ばしており、試合前から決めているゲームプランとしての交代なのではないかと思います。2試合連続この時間交代だしね。
仙頭→柿谷、仙頭→石田と、2試合連続で仙頭を交代させた後は3421にしています。これは試合終盤の前線守備の強度を維持して、下がりすぎを防止する目的なんでしょうね。
この試合も1トップに石田を入れ、WBに吉田、2シャドーにマテウス、相馬、ロスタイムに、2シャドーに内田、阿部と交代カードを効果的に切りながら、前線の守備強度を維持し、下がりすぎることなく、ボール保持をする時間も交えながらゲームをクローズさせました。
後半押されっぱなしだった磐田戦、マリノス戦に対し改善が見られるセレッソ戦でした。後半開始直後は、相手の圧力に押されましたが、守備で下がりすぎず試合を通してアグレッシブに守備をできたことが、安定したしたゲーム運びにつながりました。
カウンターでもボール保持でも相手の守備が揃うまでに攻撃完結
続いて、攻撃。試合序盤カウンターから、仙頭がジンヒョンのわきの下を狙った冷静なシュートで先制します。前節の脳震盪のせいもあるかもしれませんが、仙頭も取りにくいコースに打ちました。スバラシイ
序盤の先制は、ゲームマネジメントが難しくなりがちです。しかしセレッソ戦は、ボール保持とカウンター、ショートパスとロングボールを織り交ぜ基本的にバランスの良い攻撃を組み立てていきました。
ゴールを奪う全体的な狙いとしては、相手の守備組織が揃う前に決めることだと思うのですが、それがカウンター攻撃だけでなく、ボール保持の攻撃でもそのような意図がセレッソ戦では見られました。しっかり、DFラインでボールをつなぎ、相手を引きずり出しながら、前線にスペースを残しつつ攻撃する意図が見られました。3バック全員がしっかり相手を食いつかせてから楔を打ち込むことができるので、「フムフム、チームのストロングポイントになってきたな」とほくそ笑みました。バックパスでランゲラックがロングキックする場面もだいぶ減って改善がみられました。
試合開始15分までは、主に仙頭が3バックまで降りてゲームを作ります。セレッソは前からプレッシャーに来るチームでしたが、安定したボール保持を助けていました。
また、ボール保持だけでなく、WBや2トップを裏に走らせるロングボールも織り交ぜながら、攻撃を組み立てていきました。
特に、この試合の攻撃の注目点としては、丸山の攻め上がりではないかと思います。酒井のクロスにマテウスが合わせゴールネットを揺らした前半のシーン(オフサイド)でも、丸山が仙頭を追い越して、相馬に渡したパスが起点になっていました。
また、2トップが連動して起点になる中で、酒井が深さをとりマテウスが下りてボールを受ける役割が多かったと思います。マテウスが中間ポジションでボールを受け、周りが攻め上がる時間を作り、そのままカウンターに行けない場合は、プレーを一度キャンセルしてボール保持につなげるパスが出来ていて、マテウスのプレーの選択も整理されてきた気がしました。
試合終盤に前線でボールが収まらず攻撃時間が減ってしまうことの対策としては、石田の1トップが効果的でした。相手より先に動き出してボールを呼び込み、少ないタッチで周囲の前向きの選手にボールを渡すプレーが効果的でした。前線の潤滑油。チーム全体で石田をどう活かそうかという意思統一がなされていて、自陣からうまくボールを逃がすことに貢献しました。
攻撃面で心配といえば相馬。新婚だからか、マウスピースをつけるようになったからか、顔がお疲れに見えるのは私だけでしょうか?スペースを塞がれて良さが生きないゲームが続いています。守備面での貢献度が高いのでWBとしては良いっちゃ良いのですが、それなら吉田の方が上なわけで。
下がって受けると相手のプレッシャーをいなせない傾向があるので、バリエーション、駆け引きに期待したいですね。25分に下がりながら丸山からパスを受け、横方向にドリブルしながら、稲垣、森下とサイドチェンジしてチャンスを作った良いプレーがあったので、このようなプレーを増やしてほしいですね。
酒井も心配。ロングボールも収まらず(Ground duels won2/6、Aerial duels won1/4、sofascoreより)コンディション的にも下がってそうですが、彫刻のようなお顔に悲壮感が漂って、そのうち”考える人”になっちゃいそうなので、ぜひ酒井に初ゴールが生まれて欲しいです。今のスカッド的にマテウスの相棒は酒井が適任だと思うので期待してます。
さいごに
前回のブログでもお伝えしていましたが、下のツイートのように今シーズンは引き分けが異常に多いんですよね。
⚽ Jデータ ⚽
— SPORTERIA (@SPORTERIA_JP) May 14, 2022
引き分けが多い傾向の今季J1📊
(5/13の試合まで)
✅ 107試合で41引き分け(38.3%)
✅ シーズン記録は2005年の28.1%
✅ スコアレスも17試合(15.9%)
✅ シーズン記録は2009年の9.2%
✅ 直近3年: 2019年 17試合 2020年 20試合 2021年 34試合#toto 予想にも影響…?🤔#jleague
よって、シーズン1/3も終わって名古屋の勝ち点14からC大阪の勝ち点17までの勝ち点3の中に7チームがひしめく大混戦です。
既に今シーズンのすべての不運を被っていると思うので、因果律全開で使ってラッキーパンチをどんどん当てて、順位を上げていきましょう!3連勝すれば景色が変わります。「長谷川監督名将!」って手のひら返ししたいです。
私が望んでいた”先制した後にも、引きこもることなく、ボール保持で攻撃の時間も作りながら、追加点を狙う”ゲーム運びが、ゴールネットを揺らす回数的には実現できました(2回はオフサイドだけど)。今年初のリーグ戦連勝に期待しましょう!
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