スキップしてメイン コンテンツに移動

レビュー)横浜FM vs 名古屋~ニアゾーンへのサイドチェンジ~

名古屋(A)1-1横浜FM(H)/日産スタジアム/2019.4.13
得点者(名):ジョー
得点者(横):マルコスジュニオール
まずは、7節 横浜FM戦のダイジェストから。
(0秒でスタメン出ます。)


今節のプレビュー記事はこちら。


ニアゾーンへのサイドチェンジ攻撃

グランパスが横浜FM対策に仕込んできた攻撃として、あまり使わないサイドチェンジをこの試合では多用しました。

状況としては、グランパスが攻撃でアタッキングサードに押し込んだ場面です。マリノスの4バックは、ペナルティ幅に圧縮して構える特徴があります。その敵SBの少し外側(いわゆるニアゾーン)にサイドチェンジの浮き球を入れチャンスを多く作りました。

ボールの受け方も、最初からニアゾーンに入るのではなく、敵SBとほぼ同じ位置に陣取りながらバックステップで距離を取りボールを受けるなど、開けておいてサイドチェンジが入りそうになると先に動くという連携が見られていました。

サイドライン際からのクロスは確率が低いので、グランパスはこれまでほとんど使いませんでした。一方、ニアゾーンへのサイドチェンジはゴールへの距離が近くクロスもピンポイントで入れれますし、シュートにも移れます。この攻撃の実装は、今後に期待が持てます。

ハーフコートマッチ守備の改善点

上の記事で書かれている、後半の修正点を私なりに解釈してみました。

前後半を通してハーフコートマッチを狙っていました。ポゼッションでは横浜FMが上回ったものの、プレーエリアはコートを3分割した横浜FMゴール側が多かったことが物語っています。

前半上手くいかなかった点として以下のようなことがあったと思います。

横浜FMのGKも含めたビルドアップにオールコートでプレスをかけて、横浜陣内でのボール奪取を企みます。しかし、名古屋プレスのファーストラインを抜けられると、即疑似カウンターをくらうという悪循環がありました。前半3分名古屋DFライン前でフリーの広瀬に縦パスが入り前を向かれた時には「これ、やべーやつだな」と不安になりました。「普通、こんなの1試合1回も起こらへんやん。」と。

失点の場面を含め、名古屋ファーストラインを抜けられて、DFラインの前のスペースで前を向かれると、横浜FMの疑似カウンターのスピードを落とすことが出来ず、危険な場面が多発しました。

DFライン裏やサイドへのボールは、それほど危険な場面にならず、DFライン前に入れられて、スピードを殺せないままコンビネーションで攻められるのが課題の前半だったと思います。

翻って後半、名古屋の修正としてはハーフコートマッチをあきらめるのではなく、プレスのファーストラインをやや下げ、3ラインをよりコンパクトにするというものだったと思います。

CB-GK-CBが1列に並ぶことによるビルドアップに対してはプレスをかけず、ペナの5mぐらいに出てきたところをファーストラインに設定していたと思います(後半8分ごろ参照)。この修正で、DFライン前に入った横浜の選手を捕まえやすくなり、さらにプレスバックも利きやすくなりました。

後半も決定機を作られていましたが、サイド起点のものが多かったために、中央でフリーの選手がいた前半と比べても、安定感は後半の方があったと思います。

また、横浜FMの攻撃スピードを落とせたことで、カウンターの打ち合いから、名古屋に分があるショートパスをつなぎながら全体を押し上げる遅めの攻撃が多くなりました。このことは、横浜FMのWGやSBを押し下げることで、横浜の攻撃の人数を削る役目も狙っていると思われます。

そのため、主導権は後半の方があったと選手・監督が言っていると考えています。


〈雑感(良いところ)〉

  • 宮原和也が二人いるようだった。PKのシーン以外にも、ペナ内に侵入したり、サイドでドリブル勝負してファールをもらったり、シャビエルとのコンビネーションでサイドを駆け上がってクロスを上げたり、被カウンターの芽を摘んだり、ゴール前のクロスをクリアしたり。左右の攻撃バランス改善が、さらに名古屋を強くしそう!
  • セットプレーの質がメキメキ上がってる!右キッカーとして和泉竜司と相馬勇紀に目途が立った感じ。ターゲットとしてシミッチが勝てる。シャビエルのキックの質が強めの物が多くなってる・・・などなど。
  • 押し込んだ時の展開として下の図のやつが何度も出てきた(名前付いてるのかな?)。サイド深くまで侵入した際に、①マーカーを少しずらして、ニアポストの選手(長谷川アーリアやジョー)にパスを出し、②ポストの選手がDFを背負いながら近寄ってきた選手に落とし、③そのままシュート態勢に。この2対2のグループ戦術は、昨年から威力を発揮していて、過去にも紹介しています。(←リンク)「今年はあまり見ないな」と思っていたけど、アーリアが定着したことで増加しそうです。リーチと足元でのボール扱いを生かしたポストプレーなので、アーリアが生きるプレーだと思います。


横浜FM戦は、決定機・被決定機共に多く、優勢ながら引き分けは妥当な結果だと思いました。

ACL圏から離されないよう、次の合言葉は「シュート打て」ですかね。


トップページのブックマークをお願いします。
更新情報をツイートします

↓クリックすると
↓みなさんのグランパスブログが見れます
にほんブログ村 サッカーブログ 名古屋グランパスへ
にほんブログ村

コメント

このブログの人気の投稿

プレビュー)札幌 vs 名古屋~SH和泉は可変システムの布石?~

2018/3/27追記) 誤「クソンン」→正「クソンン」です。訂正してお詫びします。

まずは、次節対戦する札幌の前々節(vs清水)、前節(vs鹿島)のダイジェストから。




プレス開始位置の違い 対札幌戦で、前々節の清水はオールコートに近い高い位置にプレス開始位置を設定し、前節の鹿島はセンターサークル付近をプレス開始位置に設定していました。その結果、札幌は清水に完勝(5-2)し、鹿島に完敗(1-3)しました。
札幌にスピードの乗った状態で攻撃させないための策、鈴木武蔵・チャナティップ・アンデルソンロペスにスペースを与えないための策としては、鹿島同様にセンターサークル付近にプレス開始位置を設定した方が組みし易いと思われます・・・・が、名古屋はプレス開始位置を清水同様に高めに設定してくることが容易に想像できます(汗)。なので、それ前提でプレビューを書きたいと思います。
ちなみに、清水はプレス開始位置は高いのですが、縦にコンパクトではないため、剥がされた後にスピードに乗られまくっていました。コンパクトネスでは、名古屋の方が札幌の攻撃に対する耐性はあると思われます。
名古屋の組織的守備 札幌は2シャドーが下りてきてからの展開が強力 札幌は、2シャドー(チャナティップとAロペス)がCH脇に下りてきてボールを受けることをビルドアップの出口としています(下図の灰色部分)。下りてきたときに、相手DFがついてくれば裏にスペースが出来ますし、ついてこなければ前を向けます。
この前を向いた状態から配球されるのが非常に厄介です。シャドーが下りてきたときに両WGはすでにDFライン際まで上がっています。そのため、CF、もう一人のシャドー、両WGと4方向にパスコースがあり、相手DFを背走させながら攻撃をすることが出来ます。基本的に近い味方への縦パスを優先しますが、少なくとも逆サイドのWGはサイドライン際に張っているので、そこには必ずパスコースがあります。名古屋がハイラインを保つ守備を選ぶならば、この攻撃の出発点である、2シャドーを自由にさせない必要があります。
名古屋は左右非対称の4-4-2と4-3-3の中間フォーメーション 名古屋が取り得る対策としては、守備時に4-3-3にすることが考えられます。このフォーメーションチェンジは、実は今の名古屋とはすごく相性が良いと思っています。つまり、右SH…

プレビュー)鹿島 vs 名古屋~ゲームメイカー内田篤人~

まずは、次節対戦する鹿島の前節(vs磐田)のダイジェストから。


鹿島のお勉強のため、磐田戦(5節)、札幌戦(4節)、川崎戦(2節)を見ました。世代交代もスムーズに手堅いチームが出来上がってます。

守備はプレスラインをセンターサークル付近にした4-4-2で、コンパクトなブロックを作る形です。FW2枚はサイドに誘導する程度で、MFのラインにボールが入った瞬間に詰めてきます。逆サイドにいる選手は捨てて、スライドを頑張るやつです。

攻撃は縦に速い攻撃を志向しています。”放り込みに見えて伊藤翔の動き出しの方が早いために収まっちゃうやつ”やカウンターや疑似カウンターなどで手数をかけずにボールを進めます。相手の守備陣形が整ったら、レオシルバを中心に遅攻に移ります。

ゲームメイカー内田篤人 皆さん内田篤人のプレースタイルってどんな印象でしょうか?攻撃的で、コンビネーションを使いながらオーバーラップしてクロスを上げる印象ありませんか?今はそのようなプレーは一試合2~3回程度です。

逆サイドが安西という事もありますが、それほど上がりません。また、ポジショニングも含めた対人守備で、ほぼ1対1で負けません。守備力も高く、だいぶ印象変わってます。さらに、ロングボールを主体にゲームメイクをする選手になっているため、ハイラインの名古屋にとっては要注意人物なのです!!
ロングボールの球種が多い! 内田は正確なキックで展開を変えるロングボールを出すことで、ゲームメイクしていきます。チーム全体としてロングボールの後は手数をかけず、フィニッシュを狙います。そんな形を4つ紹介します。 逆サイド敵ブロックの外に陣取った安部や安西にワンステップでストレート系のロングボールを入れて攻撃のスイッチを入れる。ペナ内DF背後に浮き球の逆回転系のボールを入れる。伊藤翔が背中からくるボールをトラップしてゴールというのが川崎戦でありました。同サイドのレアンドロやセルジーニョが相手SBの背後に走り、そこに内田がカーブしたロングボールを入れます。その後は迷わず1対1勝負です。レアンドロがSB-CB間に斜め走りするなどしてスペースがある場合には、アーリークロスがDF-GK間に入ってきます。正確でGKは絶対出れないやつです。
このように、内田の入れたボールから手数をかけず速い攻撃をしてくるので、対面になる和泉竜司に期待がかかりま…

レビュー)鹿島 vs 名古屋~2つの名古屋対策~

名古屋(A)1-2鹿島(H)/カシマサッカースタジアム/2019.4.5
得点者(名):シャビエル
得点者(鹿):土居聖真、レオシルバ

まずは、6節 鹿島戦のダイジェストから。

今節のプレビュー記事はこちら。
試合の流れ 名古屋は攻撃時2-4-4/守備時4-2-4でプレスライン高め、鹿島は攻撃時も守備時も4-4-2で、プレスラインはセンターラインより後ろという形でした。名古屋がボール保持しつつ、ボールロスト後も即時奪還し、鹿島が安西中心にカウンターを仕掛けるという構図でした。名古屋の方が決定機が多くゲームを支配しつつも、終盤に前線の足が止まると共に流れを渡す展開となり、悔しい逆転負けとなりました。

非公開練習をしてきた大岩監督。この試合、名古屋対策として定番になりそうな戦略が2つ出てきたので、その点を中心にレビューします。

鹿島の名古屋対策①右サイド誘導 試合序盤にSH和泉竜司がSB平戸との1対1に勝ち、試合を通しても3度は平戸の裏を取って攻め込む場面が生まれ、完全に左サイドは名古屋が優勢でした。
一方、右サイドもCB中谷進之介がドリブルで持ち上がり、タッチライン際のSB宮原和也に鋭いグラウンダーのパスを付ける場面(前半12分、16分、31分)があり、右のビルドアップもいい感じ・・・と思っていたのですが・・・ どうも、「同じパターンが連続しておかしいな」と思っていたら、どうやら名古屋の右サイドから攻撃させようと鹿島が誘導していることに気づきました。結構、露骨に中谷の前にスペースがありました。右サイドはSB宮原和也が幅を取る役割を受け持っていて、そこから攻めさせようという鹿島の意図です。
後半開始早々、風間監督からの指示もあったと思うのですが、比較的スペースのある右サイドをCB中谷進之介が駆け上がり、シャビエルのゴールをアシストしました。また、DHのシミッチと米本拓司のポジションを入れ替えて、シミッチが右にまわりゲームを作るなどの工夫も見られました。
と、相手の狙いを逆手に取って先制したことで、この試合自体は”やり返せた”ので良いのですが、重要なのは今後です。右に誘導される、つまり、誘導された右にはスペースがあるということなので、そこで攻め切りたいです。
解説の水沼さんも言っていましたが、まず、宮原和也には1対1で仕掛けてほしいと思いました。特に試合の最初に。あと、シ…

レビュー)札幌 vs 名古屋~CF長谷川アーリアジャスールでビルドアップを阻害~

名古屋(H)4-0札幌(A)/豊田スタジアム/2019.3.30
得点者(名):シャビエル、OG、長谷川アーリアジャスール、シャビエル

まずは、5節 札幌戦のダイジェストから。


今節のプレビュー記事はこちら。


攻守にハマったCF長谷川アーリア 最近、ジョー、シャビエル、和泉竜司、もう一枚にだれを使ってくるか?という記事を書いたのですが、代表中断期間のトレーニングで風間監督が選んできたのは、長谷川アーリアジャスールでした。攻撃面では狭いスペースで受けるリンクマンとして、守備面では”ビルドアップ阻害のために前線でボランチの守備力を見せてほしい”という意図だった思います。これが見事にハマり4-0の快勝につながりました。

札幌ビルドアップに対する名古屋の対策とは? 名古屋は、守備時これまでの4-2-4というよりも4-3-3に近い形に変えてきました。(プレビュー当たった!?小声)(因みに、左右非対称なのでとらえ方としてはどちらでもいいと思っています。)

一列目は、アーリアを真ん中に置いて左ジョー、右シャビエルでした。プレスラインはほぼオールコートでした。FWラインを突破され、サイドでフリーになられたときだけリトリートという感じでした。


アーリアを中央に置いたことで、前線の守備力が増し、札幌の最終ライン(CH荒野とCB3人)からの縦パスをかなり阻害出来ました。そして、札幌のロングボールの精度が下がり、名古屋がセカンドボールを回収する場面が増えました。
アーリアは、25分に自軍の守備を鼓舞するため吠えたり、71分にプレスバックして中盤を助けるなど、名古屋が緩んだ頃に守備をけん引する気概が見えてほんとによかったです。移籍後最高のパフォーマンスでした。
また、懸念材料だった”札幌2シャドーが下りてきたところに入る縦パス”に対しても、シミッチ、米本拓司、和泉竜司が最初からスペースを埋めている形になっているので、直ぐに寄せる事が出来ていました。この2人から効果的な展開をさせないことが勝利につながりました。(チャナティップから逆WBへのサイドチェンジは3~4回通されてます。この攻撃の再現性は凄いですね。)
名古屋守備時のMF3枚は、左よりに位置することで、札幌右サイドのアンデルソンロペスとルーカスフェルナンデスはスペースを与えられず、札幌の右サイドを沈黙させることが出来ました。(ルーカスフ…

プレビュー)横浜FM vs 名古屋~サブテーマとしてのロングボール~

まずは、次節対戦するマリノスの前節(vs浦和)のダイジェストから。

横浜FMのスタメンはこちらを確認してください↑

今回のレビューは、メインテーマとサブテーマに分けてお送りします。

メインテーマとしてのポジションチェンジの思想 マリノスとグランパスは、オフサイド1位2位対決です(FMダントツ!)。オフサイド数に表れる両チームの特徴としてコンパクト、ポゼッション重視、攻撃的などの共通点があります。 それらの特徴を形作る戦術が横浜FMのポジショナルプレーです。攻撃では、ポジションを移動しながら相手を動かし、動かして空いたスペースに連動してポジションを埋め、芋づる式にギャップを作りゴール前まで運びます。
ビルドアップに下りてくるのは、IH天野、SB広瀬、SB松原、CH喜田で、CB間かCB脇に下ります。多彩です。特に左IHの天野純は、CB間、CB脇、WG、シャドー、アンカーといろいろなポジションに移り、マリノスの攻撃を司ります。

守備においてもポジショナルプレー。攻撃でポジショングルグルしながらも、いるべき場所にフィールド上バランス良く選手がいて陣形を崩しません。
例えば、松原が偽SB化することで中央からのカウンターを受けにくくしています。
横浜FMがオートマチックにポジションチェンジして攻撃するのに対し、名古屋はトレーニングで培ったユニットでの即興ポジションチェンジで攻撃します。オートマチズムvs即興。オートマチズムは、判断スピードが上がり、緊急事態に考えるための余力を残すと言われています。即興は、ユニットとしての成熟が必要な反面、自分たちにしか理解できないコンビネーションを出すことが出来ます。

つまり、横浜FMの方がパターンがあるので対策しやすいといえます。しかし、守備時にやばいバランスでネガトラを迎えにくいという点で長所があります。名古屋の場合、ネガトラ時のバランスの悪さは中盤3人(シミッチ、和泉竜司、米本拓司)のボール奪取能力である程度カバーされているため、チーム全体のバランスとしては成り立っています。
このあたりのポジションチェンジの思想の違いがこの試合のメインテーマになるでしょう。

メインテーマについては、みぎさんが「面白わかりやすく」書かれているので、勝手にご紹介させていただきます。これがあれば私のプレビューは要らないと思います・・・ 日本一優しくほんわかし…