スキップしてメイン コンテンツに移動

レビュー)セレッソ戦、札幌戦、相馬など成長の日々について

最近、更新が滞ってますが、生きてます。

今回は最近の試合を振り返って、グランパスの成長について書いていきたいと思います。

相馬勇紀の復活

過去のブログでも、「相馬に迷いが見えていたのが復活するんじゃないか」ということを予見していました。復活が兆しから現実に変わってきていると思った矢先に、怪我。。。残念でなりませんが、相馬へのエールとして、良くなった要因について2つ挙げたいと思います。

取り上げる良くなったプレーは攻撃時に、サイドライン際に陣取り攻撃方向に敵SBがいるときに、後方の味方からパスを受けるプレーです。

良くなった要因1つ目は、ボールが来る前にプレーの選択が決まっていることです。裏に抜けてボールを受けるのか、カットインしてドリブルで仕掛けるのかというプレーの選択をボールが来る前にできていると思うのです。

プレーの選択が早い事は、一見良い事に見えますが、裏を返すとプレーが読まれやすいことになります。”プレーの選択を最後まで変えられる選手(久保建英とか斎藤光毅とか)が良い選手”という最近の流れに影響されているのかな?という推測をしていました。

しかし、相馬の場合は相手より早く判断をすることで、読まれても初速の速さで振り切るようなプレーの方が向いていると思っています。そういう部分が活きているので、最近の好調が生まれていると思いました。

良くなった要因2つ目は、ボールを受ける前のポジション取りです。プレーの選択が早くなったのに伴って、ボールを受ける前のポジションがオフサイドラインに近くなりました。つまり、裏抜けを基本線にポジションを取っているのです。

パスの出し手にも裏抜けを基本線とする意識が浸透している気がします。そのため、パスを呼び込みやすくなっていると思います。

DFは背走させられると守備が難しくなるので、裏抜けを常に狙うことは相手にプレッシャーをかけることになります。一方、相馬にとってみると対面のSBとの距離が近くなるので、パスカットやタックルをされる可能性が高まります。

この裏抜けを狙いつつ、いい塩梅でボールを受けられるギリギリの高さで位置取りできていることが、2つ目の好調の要因だと思います。

復調してきた矢先のケガで非常に残念ですが、しっかり治して戻ってきてほしいと思います。


全局面コンプリートの兆し

柏戦のレビュー(2020/8/2)にて、以下のような現状認識(≒願望)を書きました。
その名古屋の戦い方とは、『5局面(保持、非保持、ポジトラ、ネガトラ、セットプレー)を高次元で両立させていて、それに伴い対戦相手に合わせて相手の得意局面を減らす戦略でゲームを進めても、残る局面の差で勝てる』いうものです。そう、名古屋が目指しているサッカーは、全局面コンプリートなのです!

その名古屋の目指しているのは全局面コンプリートという現状認識(気持ち)は、”グラぽ”でも共有させていただきました。

しかし、待てど暮らせどボール保持の局面は改善されず、以下の様に”グラぽ”に書かせていただいたような有様でした。

しかし、セレッソ戦、札幌戦を終えた今。やはり全局面コンプリートを目指している説はあるんじゃないかと思っています。

(以下、スタッツはsofascoreより抜粋)

まずは、セレッソ戦前半のボール非保持。支配率46%、両チームのシュート数合わせて4本という、凪の試合を展開。清武と柿谷がシャドー、片山と坂元がWBに入る3-2-5のような形でボール保持攻撃してくるセレッソに対し、清武や柿谷にHSでボールを受けられるものの最後はやらせない守備で時計を進めました。

続いて、セレッソ戦後半のボール保持。支配率67%、シュート数名古屋8本/セレッソ4本。ホームとはいえ0-0だったので、ボール保持で試合を進めるのは意外でした。シャビエルと阿部と成瀬を途中交代で投入してボールを握り、ロスタイムに敵陣でのプレスからのショートカウンターが決まり難敵ロティーナセレッソに勝利。

最後は、札幌戦。トランジションゲームを制し3-0で勝利。トランジションのカオスを利用してゴールを得たい札幌に対し、シュート数名古屋14本/札幌6本とトランジションゲームでも完勝。

札幌は攻撃時5-0-5もしくは4-1-5という形でボール保持。中盤を開けておくことで、マークのズレと受ける位置の確保を狙う。札幌4~5人のビルドアップ隊に対し、名古屋は守備時4-4-2のSHを1人上げて、3人でパスコースを規制。

札幌は前線の5人が交互に降りたり裏を狙ったりして、攻撃をしかけるが名古屋は後方に7人いるのでパスコースがない。すると、札幌ビルドアップ隊は数的優位を利用してドリブルで持ち上がる。そこを名古屋CHが強く寄せる。持ち上がった選手が出す縦パスを狙ってカットしてポジティブトランジションに移行。縦に速い攻撃で札幌の守備組織が整備される前にゴールに迫る。

以上の様に、札幌の攻撃の構造を利用してカウンターを発動する狙いがあったと思います。

5局面の最後はセットプレー。札幌戦2得点目はマテウスの落ちる芸術的なフリーキックが直接ゴールに吸い込まれました。

ダメ押しに、せこさんのブログを引用させて頂いて、虎の威を借ります。

今の名古屋の強みは相手がどのような局面を選択してきても迎え撃つ力があることだろう。ボールを持たれた時の守備も整備されているし、被カウンター時にも対応はできる。そういうチームにありがちな「それならボールを持たせておこう」も通用しない。ボールを持ったら持ったで何とか出来る選手が前にはいる。膠着した局面を打開するプレースキックの精度も高い。今の名古屋は苦手な局面が少ないチームという印象である。

 これはもう、5局面コンプリート出来ているといって過言ではありません。



さいごに

どうですか?セレッソ戦と札幌戦を見る限り、相手に合わせ5局面を駆使して勝利につなげられている気がします。明日は、またも10連勝中の川崎です。吉田、シャビエル、相馬と主力に負傷が相次ぐ中ですが、5局面を使い分けて川崎にシーズンダブルを食らわしてやりましょう。

ちなみに、3か月前(2020/7/17セレッソ戦レビュー)に書いた稲垣への期待も札幌戦で実現しました。
次は、稲垣!ワンタッチミドルに期待です。(入ってくるタイミングとエリアはドンピシャなのでね。)
相馬の復活、全局面コンプリート、稲垣のワンタッチミドルなど、苦しみながらもチームが成長しているところが見られるのは、サポーター冥利に尽きますね。

次のおねだりは、オジェソクへ。”インナーラップからのマイナスクロスでアシスト”かなww



トップページのブックマークをお願いします。
更新情報をツイートします

↓クリックすると
↓みなさんのグランパスブログが見れます
にほんブログ村 サッカーブログ 名古屋グランパスへ
にほんブログ村

コメント

このブログの人気の投稿

2024名古屋グランパス 編成の妄想

2024.1.14新体制始動ということで、今年のスカッドについて好きなように妄想を書けるのは今だけなので、久しぶりにブログを更新したいと思います。 今年の編成の感想 今年のスカッドを見て、違和感を感じた。その違和感の正体は、3か4か分からないこと。 以下にミルクボーイ調で4バックなのか3バックなのか考えてみた。 監督が昨年やり方を踏襲すると言っている。3バックで決まり。 フィジカルに長けた上下動できて守備も信頼できる名古屋風WB(相馬、森下、豊)が1人もいない。なら3バックちゃうか。 右SB適任者が、再レンタルも想定される成瀬しかいない。やっぱり3バック。 ただ、獲得したサイド選手(山中、小野、成瀬、山中)はみんなWB未知数。ほな3バックじゃ無いか。 3バック維持するとしても丸山、藤井、中谷の移籍で作り直しは必至。ほな3バックじゃなくてもよいか。 1枚目2枚目過多でDF枚数を減らしたい。ほな3バックじゃ無くてもよいか。 去年、後ろに重たかった。ほな3バックじゃない方がいいか。 福岡、日本代表など4と3を併用するクラブが出てきた。 新体制発表会、長谷川監督「3も4も様子を見ながらやっていきます。」4バックやるって言ってるやんけ! とミルクボーイ調もかなり崩れているが、4バックをやるっぽい。てか、やって欲しい。 どうも、 フォーメーションをシーズン・時間帯を通して使い分けると考えて間違いなさそうだ。 ちなみに4231に当てはめてみたのがこちら。我ながらまんざらでもない。理由は、 エルボーバック(SBの片側を上げ、逆側にCBのできるSBを置く)の4231をベース に妄想しているからだ。 左上がりエルボーバック もう少しエルボーバックを掘り下げよう。一例として、左SBを上げ気味にしたエルボーバック4231を示す。右SBに野上が入ることで、 試合中に3バックにも可変できる というわけだ。 この場合、久保と山中で幅を取り、左WGの森島を内側に絞らせることで、森島、山岸をSTとする3421的にも振舞える。森島がいい感じにライン間で仕事をしたり、下りてきたりが可能になる。この形は森島が活きる。ちょっと守備の怖い(失礼)、トージロー君を前目に残せて活きる。上下動の運動量に不安のある(失礼)、山中の負担も減り活きる。 昨シーズンは後ろに重たいことが課題 としてつきまとった。試合序盤など...

レビュー)札幌 vs 名古屋〜八反田の退場後も決定機は作った〜

名古屋(H)1-2札幌(A)/パロマ瑞穂/2018.10.28 得点者(名):ジョー 得点者(札):ジェイ、ジェイ まずは、18節 札幌戦のダイジェストから。 今節のプレビュー記事はこちら。 八反田の退場はあったが、良い時間もあり悔やまれる敗戦 名古屋は、試合を通した出来はそれほど悪くなかったと思います。しかし、試合の入りが悪い癖、集中力が切れるタイミングがある癖、によって敗れてしまいました。得失点差もほとんど差のない両チーム(試合前の得失点差:名古屋ー5、札幌ー2)。順位差ほどの実力差は無いはずなので、悔やまれる敗戦です。 八反田は、元々リンクマンとしての役割を任せることで力を発揮するタイプです。しかし札幌戦では、中盤で玉田や小林がリンクマンの役割をしていたために、パスがなかなか入りませんでした。そのため、裏を取る動きをしていましたが、空走りになる回数が多くなっていました。 久しぶりのスタメンで気が入り過ぎたことも退場の要因になっていたとは思いますが、元々デュエルで勝つタイプではない事と、空走りによる疲弊があったことが重なって、退場は起こった事と思います。この時間までに、もっと試合には入り込めるように意図的に使うような、チームのサポートがあっても良かったのではないかと感じています。(もちろん、2枚目をあのポジションで貰う必要はないと思いますが。) 前半1点目から2点目を取られる間の流れは総じて名古屋ペースでしたし、10人の後半も何度か決定機を作り、1つでも入っていればという展開に持ち込めた事は評価されるべきだと思います。 〈雑感(良いところ)〉 櫛引が2試合連続で、他のスタメンの選手と遜色ない働きだったことは良かったと思う。名古屋はスタメン同等の活躍をしてくれる人数が少ないことが課題だと思っているので、一人でも多くのグループとして機能できる選手が増えることはありがたい。 森保監督が視察に来ていたためか分からないが、前半の前田はいつもにも増してエロいドリブルをしていた。 10人でも何度か決定機を作った。ク ソンユンのビックセーブもあり、ゴールには至らなかった。 〈雑感(今後に期待)〉 札幌は、左右CBの攻撃参加が特徴だが、今日は福森よりも進藤にやられた感じだ。PK取られたり、流れからヘディングシュート打...

アジア大会決勝 U23韓国 vs U21日本 森保監督の苦悩の始まりか?

アジア大会の決勝、U21日本代表は惜しくもU23韓国代表に敗れ銀メダルに終わりました。内容的に悔しい負け方でした。森保監督は、勝つ可能性を最大限引き出したと思いますが、サッカー日本代表を切り盛りするうえで魅力的か否かという点で、今後苦しむのではないかと思いました。 現有戦力でどう韓国に勝つかという日本の戦略について ご存じの通り日本代表は、U23+オーバーエイジ3人というレギュレーションのところを、オリンピックでの成功を主眼に置きU21で臨みました。さらに、U21の中でも海外組は招集せず、オーバーエイジも使いませんでした。決勝を見る限り、韓国との実力差はありました。その中で、もし勝つならこの方法ということで、守備重視のカウンター狙いの戦術になっていたと思います。 ベスト16 、 準々決勝 、 準決勝 と見てきましたが、相手に合わせ戦術を変えている印象で、この試合でも日本の長所を出すというよりは、負けにくい戦い方を選択していたように感じました。 ボールの収まりどころがあれば 日本は韓国をリスペクトしすぎていた部分もあると思います。クリアーのセカンドボールがほとんど韓国側に渡り、試合をより難しいものにしていました。日本のCB陣は比較的ボール扱いがうまい印象だったので、ポジティブトランジションの時にしっかり繋ぐ選択を増やしてほしかったと思います。それを実現するためにも、キープ力のあるカウンターの中継地点になる選手がいれば、今回の戦い方でも勝つ可能性が高まったと思います。(ラフなロングボールを収めろというような酷な要望はしません。)球離れが悪くてもドリブルで仕掛けてファールをもらって時間を作るような選手がいればとか(逆襲されにくいサイドとかで)、上田ともう一人を両サイドに張らせて相手DFに絞らせにくくするとか、キープしてカウンターの上りを待てる時間が欲しかったです。中盤の選手にそういう気持ちを感じなかった事も残念でした。中途半端なことはしないという意思統一はあったのかと思いますが、いわゆるボールを時限爆弾のように扱っている感じに見えました。 森保監督の苦悩のはじまり? この試合の森保監督の采配は、勝つ可能性を最大限高めた戦い方であったという部分では評価されるべきだと思います。ただ、魅力的かと問われると「No」でした。昨今のサッカー日本代...

レビュー)湘南 vs 名古屋~立ち位置的な攻防を書きました(データ追加版)~

名古屋(H)3-1湘南(A)/豊田スタジアム/2020.11.21 得点者(名):マテウス、阿部浩之、シャビエル 得点者(湘):坂 今回は、両チームの立ち位置的な攻防を中心にレビューしたいと思います。