スキップしてメイン コンテンツに移動

シーズンレビュー6)来年も継続して欲しい戦術~守備編1~

来年も継続して欲しい戦術のシーズンレビュー6回目、守備編です(不安)。攻撃編全5回のバックナンバーもよろしく。


来年も継続して欲しい戦術⑨~敵陣バックパスへの連動したプレス~

敵陣で相手がバックパスした時に連動したプレスをかけたいものです。バックパスをした選手へのパスコースを背中で消しながら、バックパスを受けた選手に寄せていくことで、1人で2人を見ているという状態を続けることが”連動”の真意になると思います。ただ、順にプレスをかけていくだけでは、1対1の状況が変わらずプレスは徒労に終わります。名古屋の前線でこういう守備が一番うまいのはジャビエルです。

ジュビロ戦ではGKカミンスキーへのプレスで2得点

残留に対し、結果的にターニングポイントとなったジュビロ戦では、カミンスキーがグラウンダーのパスでポゼッションに貢献することを逆手に取り、2得点することが出来ました。

プレスはハーフウェーライン付近でシャビエルから始まります。シャビエルの寄せに対し右WBの松本昌也から右CBの高橋祥平へバックパスします。シャビエルは、松本昌也へのパスコースを切りながら高橋祥平にプレスをかけ、高橋祥平はGKのカミンスキーへパスします。この時ジョーは中央のコースを切りながら連動して守備をしています。カミンスキーにはジョーがプレスをかけます。カミンスキーが中央CBの大井健太郎にパスし、最終的に、高橋祥平へのパスコースを消しに戻っていたシャビエルが、大井健太郎の横パスをかっさらい、ゴールにつなげました。(下の磐田戦動画2:11~)


ここで仮説なのですが、ジョーはわざと中央のCBの大井健太郎へのパスコースを開けているのではないかと思います。何故かというと、ここでロングキックをされて陣地を挽回するよりもプレスが連動している敵陣でボールを回させる方がショートカウンターにつながる可能性が高い・・・と考えたという推測です。

またも、GKカミンスキーから中央CB大井健太郎へのパスがらみで名古屋が得点

上の磐田戦動画6:00~、またもやバックパスがらみで得点できました。和泉竜司は、高橋祥平にプレスをかけ、高橋祥平はカミンスキーへバックパスします。和泉竜司は高橋祥平へのコースを切りながらカミンスキーに連続プレスに行きます。カミンスキーはまたも大井健太郎にパスし、そのボールをジョーがカットして6点目のゴールを決めます。

この2プレーの類似性をみても、どうもジョーは中央CBへのコースをわざと開けているのではないかと考えています。因みに、ジョーはリトリート時の守備では、比較的忠実にCBからアンカーへのパスコースを切って守備をしています。

前線守備について

前線からの追い込みが無いところで、後方の守備の問題をどうこう言ってもしょうがないのは、皆さん同意されると思います。守備のうまさでいうと、シャビエル>ジョー>玉田圭司の順だったのではないかと思います。(守備の運動量ではなく、うまさです。)

玉田圭司については、”前線守備のうまさ”もしくは”後3~4点とっていれば”、今の悲しい状態にはなってなかったのではないかと思っています。(玉田ありがとー)

玉田圭司の開けてくれたポジションを誰が奪うのか

杉森考起が町田からレンタルバックされました。玉田圭司のポジションを争う一人だと思います。杉森に加え、青木亮太、相馬勇紀、前田直樹、和泉竜司、秋山陽介、児玉駿斗のうちの誰かがポジションを勝ち取って、真の意味でグランパスの中心になってほしいと思っています。

本来なら2018シーズン中に誰かがポジションを奪っていれば、玉田圭司の気持ちも違ったと思います。名古屋のレジェンドに辛い思いをさせたことを真摯に受け止め、若手は成長して欲しいと思います。

玉田圭司が今季担っていた、ライン間で受けて・キープし・パスを裁くことでビルドアップとポゼッションを安定させるという役割では、児玉駿斗が最も近いタイプだと思います。

また、ジャビエルも同じような役目をかなりするので、裏抜けを頑張ってくれる方がチームとしてのバランスは良いと考えています。その意味で、相馬勇紀や前田直樹に期待しています。

青木亮太、和泉竜司、秋山陽介は、2年間風間監督の下で技術を磨き、出番を与えられてきた成果を開花させてほしいものです。

10試合程度の間ではプチブレイクした選手ばかりなので、それぞれの選手の能力に疑いはありません。コンスタントに成果を上げることが出来れば、いいだけです。


来シーズンは、これらの選手の何人もが名古屋の今後10年を担う中心選手に育ってくれることを期待しましょう。

千葉和彦の完全移籍、宮原和也の買取、新井一耀のレンタルと守備陣の動向が定まってきています。千葉和彦は、右利きでロングフィードの得意な選手、ムードメーカー、攻め上がりも得意という印象で、名古屋にうってつけの補強ですね。これで丸山祐市と千葉和彦で左右からロングフィードがバランス良く供給されそうです。来季は終盤の3-4-3を基本に考えているのかな?という気もしました。


守備編と言いつつ、半分ぐらい別の事を書いていますが、次回は守備のフォーメーションについて、つづりたいと思います。ご覧いただける方は、トップページのブックマークをお願いします。


~攻撃編全5回のバックナンバー~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

リーグ戦が無い間はグラ関係のネタがなく、寂しいですね。
↓クリックすると
↓みなさんのグランパスブログが見れます
にほんブログ村 サッカーブログ 名古屋グランパスへ
にほんブログ村

コメント

このブログの人気の投稿

アジア大会決勝 U23韓国 vs U21日本 森保監督の苦悩の始まりか?

アジア大会の決勝、U21日本代表は惜しくもU23韓国代表に敗れ銀メダルに終わりました。内容的に悔しい負け方でした。森保監督は、勝つ可能性を最大限引き出したと思いますが、サッカー日本代表を切り盛りするうえで魅力的か否かという点で、今後苦しむのではないかと思いました。 現有戦力でどう韓国に勝つかという日本の戦略について ご存じの通り日本代表は、U23+オーバーエイジ3人というレギュレーションのところを、オリンピックでの成功を主眼に置きU21で臨みました。さらに、U21の中でも海外組は招集せず、オーバーエイジも使いませんでした。決勝を見る限り、韓国との実力差はありました。その中で、もし勝つならこの方法ということで、守備重視のカウンター狙いの戦術になっていたと思います。 ベスト16 、 準々決勝 、 準決勝 と見てきましたが、相手に合わせ戦術を変えている印象で、この試合でも日本の長所を出すというよりは、負けにくい戦い方を選択していたように感じました。 ボールの収まりどころがあれば 日本は韓国をリスペクトしすぎていた部分もあると思います。クリアーのセカンドボールがほとんど韓国側に渡り、試合をより難しいものにしていました。日本のCB陣は比較的ボール扱いがうまい印象だったので、ポジティブトランジションの時にしっかり繋ぐ選択を増やしてほしかったと思います。それを実現するためにも、キープ力のあるカウンターの中継地点になる選手がいれば、今回の戦い方でも勝つ可能性が高まったと思います。(ラフなロングボールを収めろというような酷な要望はしません。)球離れが悪くてもドリブルで仕掛けてファールをもらって時間を作るような選手がいればとか(逆襲されにくいサイドとかで)、上田ともう一人を両サイドに張らせて相手DFに絞らせにくくするとか、キープしてカウンターの上りを待てる時間が欲しかったです。中盤の選手にそういう気持ちを感じなかった事も残念でした。中途半端なことはしないという意思統一はあったのかと思いますが、いわゆるボールを時限爆弾のように扱っている感じに見えました。 森保監督の苦悩のはじまり? この試合の森保監督の采配は、勝つ可能性を最大限高めた戦い方であったという部分では評価されるべきだと思います。ただ、魅力的かと問われると「No」でした。昨今のサッカー日本代...

レビュー)浦和 vs 名古屋~浦和の名古屋対策とボコボコの理由~

名古屋(H)6-2浦和(A)/豊田スタジアム/2020.8.8 得点者(名):前田直輝x4、シミッチ、シャビエル 得点者(浦):レオナルドx2 前田直輝の0.5オルンガを含む6得点で快勝した9節浦和戦。 快勝の理由が分かれば、今後につながると思って試合を見返したのですが…ごめんなさい。理由はよくわかんない。しいて言えば、「気持ち」…というレビュワーの端くれなら言ってはならない言葉を発しつつ、スタートです。 試合の大勢が決まる3-0のところまでを、あっさりレビューします。 基本情報 浦和の名古屋対策 ボコボコの理由? 基本情報 浦和は、西川、SB、レオナルド以外をきっちりとターンオーバーする傾向があります。結果として敗因の一つであった気がするので、後ほど。 <名古屋戦スターティングメンバー> GK 西川 DF 橋岡、鈴木(大)、トーマス、山中 MF 武富、柴戸、青木、汰木 FW レオナルド、杉本 SUB 福島、槙野、岩武、長澤、関根、武藤、伊藤(涼) #urawareds #浦和レッズ #wearereds #Jリーグ #サッカー pic.twitter.com/2YSoRG9WpT — 浦和レッズオフィシャル (@REDSOFFICIAL) August 8, 2020 一方の名古屋は、負傷者を除くベストメンバー(=鉄板の監督の哲学)。個人的には丸山祐市の勤続疲労が不安。サブにはルヴァンで結果を出したメンバーが並び、期待が持てます。 明治安田生命 #J1 第9節「vs #浦和レッズ 」(@豊田スタジアム 18:00 KICK OFF ) #grampus スターティング11⚽️ #おうちでDAZN観戦 ご準備は ▶️ https://t.co/rIOJ5UBNhV クラブ毎に数値化される #DAZN 視聴実績が #grampus の経営強化に繋がります💪 それぞれの #MyHomeStadium で共に🤜🤛 #grampus — 名古屋グランパス / Nagoya Grampus (@nge_official) August 8, 2020 ダイジェストはこちら。皆さん何度も見返しているかもしれませんが、もう一度ご覧になる場合は山中に注目して見てください。 ...

2024名古屋グランパス 編成の妄想

2024.1.14新体制始動ということで、今年のスカッドについて好きなように妄想を書けるのは今だけなので、久しぶりにブログを更新したいと思います。 今年の編成の感想 今年のスカッドを見て、違和感を感じた。その違和感の正体は、3か4か分からないこと。 以下にミルクボーイ調で4バックなのか3バックなのか考えてみた。 監督が昨年やり方を踏襲すると言っている。3バックで決まり。 フィジカルに長けた上下動できて守備も信頼できる名古屋風WB(相馬、森下、豊)が1人もいない。なら3バックちゃうか。 右SB適任者が、再レンタルも想定される成瀬しかいない。やっぱり3バック。 ただ、獲得したサイド選手(山中、小野、成瀬、山中)はみんなWB未知数。ほな3バックじゃ無いか。 3バック維持するとしても丸山、藤井、中谷の移籍で作り直しは必至。ほな3バックじゃなくてもよいか。 1枚目2枚目過多でDF枚数を減らしたい。ほな3バックじゃ無くてもよいか。 去年、後ろに重たかった。ほな3バックじゃない方がいいか。 福岡、日本代表など4と3を併用するクラブが出てきた。 新体制発表会、長谷川監督「3も4も様子を見ながらやっていきます。」4バックやるって言ってるやんけ! とミルクボーイ調もかなり崩れているが、4バックをやるっぽい。てか、やって欲しい。 どうも、 フォーメーションをシーズン・時間帯を通して使い分けると考えて間違いなさそうだ。 ちなみに4231に当てはめてみたのがこちら。我ながらまんざらでもない。理由は、 エルボーバック(SBの片側を上げ、逆側にCBのできるSBを置く)の4231をベース に妄想しているからだ。 左上がりエルボーバック もう少しエルボーバックを掘り下げよう。一例として、左SBを上げ気味にしたエルボーバック4231を示す。右SBに野上が入ることで、 試合中に3バックにも可変できる というわけだ。 この場合、久保と山中で幅を取り、左WGの森島を内側に絞らせることで、森島、山岸をSTとする3421的にも振舞える。森島がいい感じにライン間で仕事をしたり、下りてきたりが可能になる。この形は森島が活きる。ちょっと守備の怖い(失礼)、トージロー君を前目に残せて活きる。上下動の運動量に不安のある(失礼)、山中の負担も減り活きる。 昨シーズンは後ろに重たいことが課題 としてつきまとった。試合序盤など...

レビュー)浦和 vs 名古屋~崩しの多様性~

名古屋(H)2-0浦和(A)/豊田スタジアム/2019.5.12 得点者(名):マテウス、ジョー 得点者(浦): まずは、11節 浦和戦のダイジェストから。0秒でスタメン出ます 今節のプレビュー記事はこちら。 浦和がタイでのALCを挟み日程的にアレだったこともありますが、名古屋の多彩な組織的攻撃が光った、今年一番のゲームになりました。 前節まで、調子が心配だったジョーも1G1Aの大活躍でしたが、ジョーに頼らずとも点の取れそうな崩しのパターンが多数見られたので、その部分を中心にレビューします。 組織的攻撃の崩し 名古屋は最近の試合では、ビルドアップの出口に困ることはほとんどなくなっています。 シミッチの存在が大きいこともありますが、SH(シャビエル、この試合では出ていないが和泉竜司)やCF(ジョーと長谷川アーリア)が下りてきて交互にビルドアップを助けると共に、これらの選手全員がライン間の中間ポジションで受ける才能があり、ビルドアップの出口となるためです。 そこで、次に大切になっているのがシュートに至る直前の崩し(キーパス)の場面です。 名古屋の崩しの目的地は、ゴールライン手前のハーフスペース(HS)になっています。この部分に侵入するのは基本的にSHとSBで、CFが侵入する回数は少ないです。 次に多用されているのはCF同士のパス交換です。 それぞれの崩しの場面で各ポジションの選手が背負っているタスクと、浦和戦の前半における回数(時間)をご紹介します。 SBの崩しのタスク SBはHSへの裏抜けが第一のタスクとしてあります(前半21、23、26、29、35、44分=6回)。CHやCBからの浮き球を、ダイアゴナルにサイドからHSにランニングして納めます。 一方、サイドのレーンの浮き球への裏抜けは42分の1回しかなく、HSを重要視していることが分かります。 次に、クロスに対してHSでヘディングで合わせて中に折り返すプレーがあります。(前半14、40分=2回)こちらは、宮原和也がジョーへアシストした2点目のようなプレーです。このポジションに高さで勝てるジョーではなく、SBを持ってくることが最近の試合では統一されている気がしています。(吉田豊も宮原和也も走りこんだヘディングは結...